【ハイキュー】飛んで火にいる夏の螢【男】 (ページ2)

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桜が舞い散る中

僕はこれから転入する高等学校の体育館の入り口に立っている

花弁が一枚僕の肩に落ちたが

その花弁は動き回る人達が生み出した風によって音もなく床にこぼれ落ちた

「…凄い」

「あれ？月島、なにやってんの？」

突然名前を呼ばれて慌てて振り返る

するとオレンジっぽい髪の毛と大きな目が特徴的な男の子が不思議そうな顔で見ていた

僕は一呼吸おき、男の子に向き合って静かに言った

「…僕、今日からここに転入してきた月島螢といいます。月島蛍は僕の兄です」

言い終わると彼は僕と肩を並べて顔を凝視して言った

「…すげー」

「は？」

「俺とおんなじ位の背だ！！」

この子は馬鹿なんだろうか

今そんな話していないだろ

「月島何でそんなちっちゃくなってんの！？少食すぎて縮んだのか！？」

「話聞いてましたか？」

どうやら彼は相当な馬鹿で僕の事を兄だと思っているらしい

いや、普通違いに気づくだろ

188と163だぞ

僕は頭をおさえた

何故だか頭痛がする

…いや、原因ははっきりしているのだが

彼は僕の表情に気がついたのかついていないのか

急に僕の腕を掴んで体育館に引っ張っていく

「ちょ、ちょ、ちょ、ちょっと…っなに…！？」

「こんなことしてる場合じゃねーよ！練習すっぞ！練習！」

「…ぜんっぜん理解してないじゃないか…」

これ以上説明しても無駄だと思い

僕は彼の腕に身を任せた