Sh24 誰が望んだ終わり ページ1
「起きて。陵矢、ほら朝だよ。起きて」
耳にまだ微かに残っていた記憶が自らの体を突き動かして勢いよく掛け布団を剥いだ。
部屋には、俺一人。当たり前だが。当たり前なのがこんなにも寂しいものか。
一人で食べるトーストは何というか虚無を感じた。
「行ってきます……」
返事は、あるわけがない。
あれはいつからだっけ、そうだ、一年も前から俺は囚われている。
みんな俺を心配してくれるが、俺がそれを受け取る資格は無い。
俺はAを救えなかったんだから。
Aは仕事で悩んでいた。なのに家事もこなして、俺はAのSOSに気づけなかった。
ある日、珍しくもAより早く起きたことがあった。
俺は出来心でAの布団を剥いだ。
するとシーツは真紅に染まって、Aの腕に切り傷が数え切れないほどあった。
「な、何やってんだA！？」
「あ、あっ、ごめんなさい、ごめんなさい」
Aは狂ったように謝っていた。
俺はとりあえずAの腕に包帯を巻いて、Aの頭を撫でて、ハグをして家を出た。
「ただいまー……っA！！！」
Aはリビングで首を吊っていた。
俺は急いでAを下ろして、救急車を呼んだ。
が、時すでに遅し。俺は泣き崩れた。
部屋に一人取り残された俺は何度読み返したかわからないAからの手紙を読む。
「陵矢へ 私、生きるのにちょっと疲れちゃった。
ひとりぼっちにさせてごめんね。長生きしてね。愛してました。 A」
A無しの一年間過ごしてみたけど、やっぱり無理だわ。
「ひとりぼっちが苦手なのはお互い様だろ」
「A、愛してる」
足元の椅子を蹴り飛ばすとロープが気管を締め付ける。
さよなら、Aを殺した世界
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書いてくれてありがとう - 大好きすぎます。リクエストに答えてくださってめっちゃ嬉しかったです。鮫島さんの文章、雰囲気本当に素敵すぎます。またリクエストさせてください。応援してます。 (11月9日 0時) (
レス) @page6 id: 165bcad06a (このIDを非表示/違反報告)
夜 - リクエスト答えて下さってありがとうございました！しかも19番さんのお誕生日に上げてくださりとても嬉しかったです♪ 鮫島さんの小説の雰囲気好きなのでまた今度リクエストさせてください！ (11月5日 23時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
鮫島(プロフ) - 夜さん» リクエストありがとうございます！時間かかるかもですがお待ちいただければと思います…… (10月31日 16時) (レス) id: fe83d496fe (このIDを非表示/違反報告)
夜 - リクエストしても大丈夫でしょうか？ 19番さんのヤンデレ嫉妬をもっと読んでみたいです！鮫島さんの小説とても惹かれる物があってすごく好きです！これからも応援してます。 (10月31日 16時) (レス) id: 56a1cf3ff0 (このIDを非表示/違反報告)
鮫島(プロフ) - 書いてくれてありがとうさん» リクエストありがとうございます！ゆっくりですがお待ちいただければと思います……！ (10月25日 20時) (レス) id: fe83d496fe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鮫島 | 作成日時：2023年10月20日 1時
