付き添い ページ36
突然上の指令で書いていた筆を止めた。
それは審神者の回収だった。
ここに来て数十年が立ち、仕事に慣れてきた。
だが以前と違い戦に出ることもなくなった。
愛していた主は死に、居場所がなかった俺は人間のように政府で働かされていた。
顔を出してはならず、黒い布で顔を覆った。
時には、見習いに乗っ取られたと騒ぐ審神者の本丸へ潜入した。
傷を負い、夜伽もさせられたこともある。
俺は何のために生きている?
主とする貴女の元で役目を果たしたかった。
あのとき涙を流し、人から刀へ戻すのを無理にでも止めていれば。
貴女が独りで死ぬこともなかった。
本丸のゲートをくぐると、すでにそこには刀剣がいた。
鶴丸国永が主であろう女を抱き抱え、その後ろには少し殺気立つ他の刀剣もいた。
鶴丸国永の腕の中で眠る人間の顔を見た時、ぐっと息が苦しくなった。
この人は____________。
鶴丸国永から審神者を受け取り、ゲートをくぐった。
役人の人間の2人は、抵抗できなかったのが気に入らないのか不満を口にしている。
審神者、恐らくまだ酒も口にすることができないだろう少女を抱き抱えたまま立ち尽くした。
報告のため、役人がゲートの受付で名前を言った。
「本丸No.1825 __________審神者名 “A”」
嗚呼やはり、貴女は。
役人は特に急ぐこともなくこう言った。
「その審神者、医務室まで頼んだぞ
___________________長谷部。」
「はい。」
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シルア(プロフ) - 湧さん» コメントありがとうございます!そろそろ更新致しますので、よければまた読んで下さると嬉しいです( *´˘`*) (2017年11月17日 6時) (レス) id: 5cb09f2f76 (このIDを非表示/違反報告)
湧 - 前回から見てます!私はこの作品が大好きです!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます! (2017年11月16日 16時) (レス) id: a9560b7259 (このIDを非表示/違反報告)
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