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実験体 ページ31

『何か用でしょうか。』

ずきずきと痛む頭に我慢しながら、目の前に座る役人にそう言った。

「薬を飲んでいるようですね。
しかし貴女も辛抱強いことです。また本丸を作ってもそこにはいられないというのに。」

くすりと笑う役人を睨みつけた。

「・・・失礼。分かっていらっしゃると思いますが貴女には実験体になってもらうことになっています。誰にも話していませんね?」

『話したら本丸もろとも消すおつもりでしょう。禁忌と伝えられることをするなんて、政府も腐ったこと。』


演練や街に出たとき
度々耳にすることがあった。


______________の実験。



それは悪魔で噂、と思っていたが
私は数年前に目の前にいるこの男に告げられたのだ。

私たち審神者である人間にとっては
政府というものがどれだけ腐っているのかというものがよく分かる話だった。


私は一体何人目なのだろう。


罪人と神なんて比べ物にならない。
何故それを行うのか。

それは罪人になど権利はない。
私たち審神者は所詮政府の駒だ。

他に駒なんていくらでもある。

たった1人や2人、消えてもこの戦には支障がないのだろう。


「春は別れの時期、とでもいいますか。
春はあなたには勿体無い。」


『はは、面白いご冗談を。
こんな罪人を桜の中で迎えに来られるあなた方ほど、可哀想で仕方が無い。

さぞご気分も優れないでしょう。』









桜の蕾がひらき、花が咲く頃


私は審神者をやめる。

雪→←薬



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シルア(プロフ) - 湧さん» コメントありがとうございます!そろそろ更新致しますので、よければまた読んで下さると嬉しいです( *´˘`*) (2017年11月17日 6時) (レス) id: 5cb09f2f76 (このIDを非表示/違反報告)
- 前回から見てます!私はこの作品が大好きです!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます! (2017年11月16日 16時) (レス) id: a9560b7259 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シルア | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月18日 0時

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