語りかける ページ21
『・・・鶴丸国永。』
静かにその名前を呼ぶも、寝息をたてる鶴丸からは返答がない。
まだ回復途中なのだろう。
布団の中から手をとると、それは微かに温もりを感じた。
生きている。
そう確信できたことだけでも嬉しかった。
歩いている途中に説明されたことだが、
私の周りにはまだ少し刀剣たちによって張られた結界が少し残っているらしい。
万が一鶴丸が攻撃してきても、一度や二度は防げると三日月は言っていた。
手を握ると、反射反応なのか鶴丸の手が少し動いた。
『ねぇ、鶴丸。
もしあなたが私を殺したいと言うのなら声を上げることもなく、この身を好きにしてくれて構わないよ。』
そう言って指を絡め静かに呟いた。
「・・・そんな言葉、再会には似合わないぜ。」
手を握りかえす感覚に顔を上げると
金色の目を細め、こちらを見る鶴丸。
襖の少し空いた隙間から風が髪を揺らした。
目元から涙がこぼれ、みるみるうちにシーツに染みができていく。
震える声で笑った。
『おかえりなさい、鶴丸。』
そう言うと、鶴丸は嬉しそうに微笑んだ。
「あぁ、ただいま。」
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シルア(プロフ) - 湧さん» コメントありがとうございます!そろそろ更新致しますので、よければまた読んで下さると嬉しいです( *´˘`*) (2017年11月17日 6時) (レス) id: 5cb09f2f76 (このIDを非表示/違反報告)
湧 - 前回から見てます!私はこの作品が大好きです!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます! (2017年11月16日 16時) (レス) id: a9560b7259 (このIDを非表示/違反報告)
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