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「して、人の子よ。」

蛍丸の体から刀を引き抜き、
鶴丸国永は歩み寄ってきた。

「俺と共に堕ちる覚悟はできているか?」

口端を吊り上げ、刀に付いた血を振り払う。
少しよろめく体をよそに立ち上がる。

「大、将・・・!」

腕や足を血に染めた薬研は自身の刀を持つことさえままならない状態だ。
必死な表情の薬研に微笑みを返し、鶴丸に向き直る。

『やるなら、早く。』

刀を向ける鶴丸の目をじっと見つめる。
くすり、と彼は笑った。

「・・・愚かだなぁ、お前もこいつも。」

向けられた刀は変わらない美しさだった。
目の前で嘲笑う彼をよそに、笑った。


『そうだね、こんなやり方。』


自身の手で刀を握る。
血が滴り、痛みが広がっていく。

「きみは、なにを」

いっそう握りしめる力を強めると、ぷつぷつと皮膚が切れていく感覚がした。
鶴丸の刀に血が伝っていく。
全身の力を注ぐように、霊力を注ぐ。


『鶴丸国永を返してもらいます。
あなたなんかに渡さない!』


黒い衣装を身に纏う鶴丸国永は血を吐き出す。
いつの間にか口から血が流れている。
これでいい。

これであなたが救われるのなら。
白く変わっていく鶴丸からは一筋の涙が流れるのが見えた。

よかった。

そう思うと、自然に体が傾いていった。








焼けるように熱い。
体の隅々までもが熱くなっていく。


懐かしい力を感じた。


ぼんやりと目の前で微笑むきみを見て
涙が零れた。








「我が主よ。よく頑張ったなぁ。」

青い着物を纏った男が、微笑んだ。

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シルア(プロフ) - 湧さん» コメントありがとうございます!そろそろ更新致しますので、よければまた読んで下さると嬉しいです( *´˘`*) (2017年11月17日 6時) (レス) id: 5cb09f2f76 (このIDを非表示/違反報告)
- 前回から見てます!私はこの作品が大好きです!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます! (2017年11月16日 16時) (レス) id: a9560b7259 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:シルア | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年8月18日 0時

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