ただただ ページ15
激しい頭痛が襲ってくる。
どうやら面倒なことに鶴丸国永が出てきたようだ。あの女子と話したらしい。
傷口が開くのをよそに薬研藤四郎は、動こうとしている。しぶとい奴だ。
ふぅ、と息を吐くと重々しい金属音が耳元で鳴った。自身の刀で受け止めると、その相手はこちらを睨みつける。
「・・・何奴も此奴もご熱心なこった。」
「・・・お互い様だっての。」
利き腕に巻かれた包帯からは赤い血が滲み出ている。当の蛍丸は痛みで顔を歪めている。
「・・・なんでそこまでして主を欲しがるの。」
息を切らしながら、蛍丸は刀を持つ力を強める。
「・・・愛おしいからなあ。」
そうぽつりと呟いた。
愚かな感情だということは承知していた。
蛍丸は奥歯を噛み締め、一筋の涙を流した。
「愚かだね、鶴丸国永。」
そう言うと蛍丸は寂しげに嘲笑した。
起き上がる主を見ながら。
大太刀を弾き飛ばし、
小さな体を地面もろとも貫いた。
はくはくと途切れる息をもらし、
口端から血を流した。
刀剣たちの結界に守られた主は、自ら結界を解いた。
起き上がるとそこには、
1振の太刀に体を貫かれた蛍丸と鶴丸がいた。
主、主と蛍はこちらに手を伸ばした。
血が流れる口元は【逃げて】と言っている。
『蛍、みんな、ごめん。』
厚く私を囲ってくれていた結界を解き放った。
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シルア(プロフ) - 湧さん» コメントありがとうございます!そろそろ更新致しますので、よければまた読んで下さると嬉しいです( *´˘`*) (2017年11月17日 6時) (レス) id: 5cb09f2f76 (このIDを非表示/違反報告)
湧 - 前回から見てます!私はこの作品が大好きです!!更新頑張って下さい、楽しみにしてます! (2017年11月16日 16時) (レス) id: a9560b7259 (このIDを非表示/違反報告)
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