【刀剣乱舞】祖父から引き継いだ本丸〔漆〕 (ページ36)

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＊第弍佰漆拾陸章＊ページ36

翌日〔Aｻｲﾄﾞ〕

龍ちゃんは朝から政府に出掛けて行った

「晩飯までには帰ってくるようにするから」って言ってたけど、なんだか不安…

薬研「おーい、どこほっつき歩いてんだ？」

A「ｹﾎｯ…本丸内」

廊下で声をかけられてそう答えると、呆れたように苦笑いをされる

薬研「ったく、あんまり勝手に歩き回らないでくれ。目の届かない場所で倒れられたら困る」

A「今日は、大丈夫…」

薬研「はいはい。で、どこに行こうとしてたんだ？」

軽く流された;;

A「別に、決めてない。ｹﾎｯ…ただの散歩」

薬研「そうか？なら、そろそろ戻ろ((」

A「やだ」

即答して薬研に背を向けて歩き出す

すると、何も言わず後ろをついて来た

A「…薬研」

薬研「ん？」

A「ｹﾎｯ…ごめんね」

薬研「！なんだよいきなり」

一旦足を止め、後ろに振り向く

A「死にたいって思ったの、嘘じゃない。というか、ｹﾎｯ年明け頃から、度々そう思ってた」

薬研は表情を変えない

A「ｹﾎｯ昨日ね、ホント辛くて…本音を口に出した後でｹﾎｯ…あぁ、私何言ってるんだろうって…」

薬研「…本音なら、もっと言ってくれたっていい。一人で溜め込むな」

A「でも…3人に、あんな表情させちゃって…」

私が俯くと、頬に手を添えて目を合わせられた

薬研「俺らに気を遣う必要は無いんだぜ？…結局Aは、本当のところどうしたいんだ？」

A「…死んじゃいたい、けど」

思わず涙が零れる

A「やっぱり、みんなを置いてｹﾎｯ死にたくない…」

薬研「ん、そーか」

優しく笑い、頭を撫でてきた

薬研「そういうことなら安心しな。あんたが死のうとしても、何を言っても、何が起こっても俺は…俺らは、絶対に死なせねぇから」

A「！うん」

薬研「ﾌｯようやく笑ってくれた」

そう言って私の涙を拭う

にっかり「おやおや、僕の部屋の前で何をしているのかな？」

石切丸「にっかりさん、察してあげようよ;;」

彼の手には、みかんが入った籠が…

じーっと見つめると、石切丸は首を傾げた

石切丸「Aも食べるかい？」

A「うん♪」

にっかり「じゃあおいで。こたつと金の珠もあるよ」←

一方政府では───

役人「休養期間があと2ヶ月を切りましたが…」

佐藤「話を聞いた感じ、このままでは春を迎える前に死んでしまいますよ」

龍舞「…わかってます」

こんな残酷な話をしているなんて、知る由もなかった