【刀剣乱舞】祖父から引き継いだ本丸〔漆〕 (ページ16)

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＊第弐佰伍拾陸章＊ページ16

薬研「久し振りだな、大般若」

大般若「薬研…」

へし切「そんな目で彼女を見るな。怯えているだろう？」

宗三「ここは、ブラック本丸とは程遠いところですよ」

大般若「長谷部…宗三…」

般若さんは少し離れて座り直した

どこか悲しそうで、助けを求めてるような…
でも警戒してる…

そんな表情だ

A「…前の本丸で何があったのか、聞いてもいい？」

私の質問に、案の定顔をしかめる

薬研「うちの大将はブラック本丸修正のプロだ。話せば少しは楽になると思うぜ」

すると俯き、しばらくしてポツポツと話し始めた

1ヶ月前にとある女審神者の本丸に顕現したこと

既に刀剣男士は、折れたまたは折られた者もいて少なかったこと

短刀は使い捨てのように扱われていたこと

太刀より大きな刀剣と打刀の一部は夜伽を強いられていたこと

そして薬研、宗三さん、長谷部、足利で一緒だったばみ兄が目の前で折られたこと

あまりのショックで刀に戻ってしまったこと

時折言葉を詰まらせながらも教えてくれた

A「…辛かったね」

あまりの残酷さに涙が溢れそうになるのを堪え、般若さんの手を取って目を見る

A「でも、もう大丈夫だよ。私はそんなこと絶対にしないし、刀剣男士もいい子ばっかりだから^^」

般若さんは少し驚いたような顔をして、少し口元を緩めた

大般若「本当は、次また誰かに顕現されたら即斬ろうと思っていた」

皆「！」

大般若「だから最初、あんたが俺を手に取ったとき、意識を取り戻して抵抗した」

あの一瞬の頭痛か…

大般若「だが、それでもあんたは俺を大切に抱えてここに連れて来た。まあ、急に咳き込みだして俺を落とした時は驚いたが」

A「…ごめんなさい」

大般若「別にそれ自体はそんなに気にしてないさ。それより…」

私が顔を伏せると、顎をｸｲｯと持ち上げてくる

大般若「美しく可憐で、子供のような可愛らしさもある。神気・霊力も澄んでいる。
…信じていいのかい？あんたはあの審神者とは違うって」

優しい顔で褒め言葉を並べたあと、試すような視線を向けてきた

なんだかプロというか、ホストのような雰囲気があるよね←

思わず萎縮してしまいそうになったけど、答えは1つしかない

A「うん、もちろん^^」

すると、安心したように微笑んだ

大般若「では改めて自己紹介をしようか」

そう言って私から手を離し、座り直す

大般若「お初にお目にかかる。俺は大般若長光。長船派の刀工、長光の代表作さ」