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万屋からの買い出しから戻ったへし切長谷部は本丸の光景を見て絶句した。自分達の馴染み深いその建物は、轟々と鳴る炎の中に佇んでいる。
後ろから追いかけてきた鯰尾藤四郎も炎を見てその場にしゃがみ、そんな彼に浦島虎徹が駆け寄った。
「あ、ぁる……じ……?」
返事はない。
「っ、主!!主、主!何処に居るのですか!へし切長谷部、只今戻りました!主!!」
「っ、長谷部!離れろ!」
「黙れ蜂須賀!彼処には主が、Aが居るんだぞ!」
今にでも炎の中に飛び込まんとするへし切長谷部を蜂須賀虎徹が何とかして抑え込む。
蜂須賀虎徹の手助けをしようと、丁度遠征から帰ってきた石切丸がへし切長谷部を羽交い締めにする。
その後ろからやって来た鶴丸国永は、変わり果てた本丸を呆然と見つめた。
何だこれは。何故俺達の本丸が燃えている。短刀達が駆け回っていた庭は何処だ。馬がいる小屋は何処だ。Aと主は、どうなった。
そもそも誰がこんな事を、と本丸を見つめて離さない鶴丸国永の視界に見慣れた敵の姿が入る。鶴丸国永はある限りの機動力を活用してその首を掻き切った。
「……お前等か」
“「鶴丸」”
「お前等が、俺達の本丸と、主と、娘を。」
“『鶴丸お父様』”
「っ、あぁぁぁぁぁ!!!」
敵の刀から絶対に自分達の物ではない血がついているのを見て、鶴丸国永はもう何も考えられなくなった。
近くで短刀達が泣き始めるが、その声すらも彼には届かない。そしてそれは、戻ってきた残りの刀剣男士も同じ事である。
「全員、刀を抜け」
「かせ、ん、さん」
出陣から帰ってきた歌仙兼定の声があたりに響く。五虎退は泣きながら彼を見ると、抜け、と強い口調で言い直された。
「敵を殺せ」
「俺達の大切なものを奪った奴等を__絶対に許すな」
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通りすがり - 履歴見ると作品数沢山なので直接お聞きします。
この作品に続編や番外編などはあるのでしょうか?
ifとかで娘が再会し引き継ぐ未来とかも見てみたかったなと思いました。
母親には騙されました。 (2021年4月2日 18時) (携帯から) (レス) id: 4f4058a2da (このIDを非表示/違反報告)
こばひな(プロフ) - 完結おめでとうございます!娘のその後のハピエンがみたいです!涙がとまりませんでした (2019年5月6日 16時) (レス) id: 36295a5c6d (このIDを非表示/違反報告)
みなせsnm(プロフ) - 完結おめでとうございます。涙が溢れて止まりませんでした...!!!お時間がありましたらハッピーエンドが見たいです。 (2019年3月28日 18時) (レス) id: a103f8d199 (このIDを非表示/違反報告)
悪魔(プロフ) - うわわわあああああ、、、やばいですね。。(語彙力)完結おめでとうございます!(泣) (2019年3月18日 0時) (レス) id: bc5b761541 (このIDを非表示/違反報告)
暁珀。(プロフ) - お祝いの気持ちでいっぱいです!! (2019年3月4日 17時) (レス) id: 19373460ec (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2019年2月9日 0時