神 様 の 娘 【刀剣乱舞】

40 ページ40

Aが目を覚ました時一番初めに見えたのは自室の天井。次に見えたのは布団の横に胡座をかいて此方を見ている日本号だった。

日本号は数時間前に娘になった少女の頭を何も言わずに撫でると、大丈夫ですか、と娘が聞く。




『顔色が、わるいです』


「……あぁ」


『……ごめんなさい、私が原因ですよね』




ごめんなさい、と自身を責めるように眉を下げて誤る娘。
寧ろ彼女は被害者だと言うのに、なんでこの子が謝らなければ行けないのか、顕現されたばかりの日本号には理解が出来なかった。

母親が起こした事は自身の責任でもあると考えているなら、少女は些か大人すぎている。見た限り齢十の少女がそんな事を考えるのは一般的にどうなのだろう。


日本号はAの頭から手を離して、その手を自身の目元に当てた。
もう何も考えられない。頭が働かない。どうしてこんな目に。何でこんなことに、と。考えてしまうのは人間の身を授かったせいなのか。


ただ一つだけ日本号が理解したのは、目の前で横になっている少女を命に変えても守らなければいけないということのみ。




「……嬢ちゃん。良かったらでいいんだが、アンタを娘と呼ばせてくれないか」




その言葉を聞いたAは、噛み締めるようにゆっくりと瞬きをして、目を開けた瞬間頷いた。




『是非、そうしてください。わたしの名前はAです』


「良い名前だな」


『ありがとうございます、日本号お父様』

41→←39

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す