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「見習い」




8時頃。牡丹様が鶯丸様と大包平様に手を引かれながら起床し、開口一番で私を呼んだ。
私は彼女の目の前で畳みに膝を着いて頭を下げ、『おはようございます、牡丹様』と何度口にしたか分からない言葉を言う。

牡丹様ははだけている寝巻きを直そうともせず、今朝政府から送られてきたばかりの仕事を私に投げつけた。




「これ、やっといて。あと昨日の仕事は終わってるんでしょうね?」

『はい。全て終わらせました』

「そう、ならいいけど。今回の書類もまた間違ってたりしたらどうなるか分かってるんでしょうね?平和に見習いを終わらせたいなら、しっかりやって」

『……はい』




言うだけ言った牡丹様は笑顔を浮かべると、行こっ、とお二人の手を引いて広間を出ていく。


牡丹様の気配が完全に消えたのを確認してから顔を上げて、床に散乱してしまった書類1枚1枚を拾い集めた。
あぁ、なんであんな人が審神者をやってるんだ。なんであの人が神様をぞんざいに扱うんだ。理解できない。

どうしてあの人が審神者になれて、
私はいつまでたっても見習いなんだ。



最後の1枚を拾おうとした私の手よりも先に、カサ、と別の手が紙に触れる。




「……大丈夫ですか?」

『……ありがとうございます、太郎太刀様。私は大丈夫です。朝餉後の貴重なお時間を割いてしまって申し訳ありません』




広間には他にも、牡丹様に朝の挨拶をと思って待機していた刀剣男士様が数多く居たので、その方達にも深く頭を下げてから仕事を処理するために広間を出て自室に向かった。

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美咲 - お話読みました!凄く面白かったです!もう更新されないのでしょうか?(泣) (2022年3月27日 10時) (レス) @page29 id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
星華 - この夢小説はまだつづいていますか?もし続いていたら、小説更新等で教えて欲しいです。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: a28065770e (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2020年6月21日 1時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 予想外の展開に驚いています。気に病む言い方かもしれませんが、更新楽しみに待ってます。 (2020年3月6日 2時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やばい。ここまでゾワッてなった小説は初めてです。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:-naki- | 作成日時:2020年1月15日 21時

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