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『……はぁ』
審神者部屋を出て自室に向かうまでの長い廊下のど真ん中、私はその場にしゃがみこんで先程自力で集めた資料を額に当てる。
今日も牡丹様が気持ち悪かった。
あんなに神様にベタベタして、見せつけるようにイチャイチャしてきやがって。こちとら彼氏いない歴=年齢で19年間も過ごしてきたのに。
見せつけか?見せつけなのか?
どうよ私凄いでしょ羨ましいでしょって言いたいのならまんまとハマってやりましょうか。
と、絶対に口に出せないことを心の中で愚痴っていると、不意にとんとんと肩が叩かれた。
慌てて後ろを振り向けば、心配そうに私を見つめる小夜左文字様と目が合う。
「だ、大丈夫……ですか」
『すみません、大丈夫です。床に埃が落ちていましたので拾っていました。私の掃除がなってない証拠ですよね』
「……貴方は、頑張ってると思います」
『小夜左文字様ほどでは御座いません。でも、お気遣い嬉しいです。ありがとうございます』
小夜左文字様の目線より下になるくらいまで頭を下げ、顔を見ないでその場を去った。
刀剣男士様たちは私が牡丹様にどんな扱いをされているのか知っている。知っているけれど、下手に動くことは出来ないから、牡丹様が居ない時に密かに声をかけてくれることが多い。
気持ちはとても嬉しいけれど、その光景を万が一見られたと考えたら被害を被るのは私だろう。
なんせ、牡丹様にとっての私は雑用係でしかないのだから。
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美咲 - お話読みました!凄く面白かったです!もう更新されないのでしょうか?(泣) (2022年3月27日 10時) (レス) @page29 id: 7ef2d991dc (このIDを非表示/違反報告)
星華 - この夢小説はまだつづいていますか?もし続いていたら、小説更新等で教えて欲しいです。 (2020年9月20日 18時) (レス) id: a28065770e (このIDを非表示/違反報告)
akithin.(プロフ) - 更新楽しみにしてます! (2020年6月21日 1時) (レス) id: e324714dd9 (このIDを非表示/違反報告)
林檎 - 予想外の展開に驚いています。気に病む言い方かもしれませんが、更新楽しみに待ってます。 (2020年3月6日 2時) (レス) id: 67c87e380d (このIDを非表示/違反報告)
カルム(プロフ) - やばい。ここまでゾワッてなった小説は初めてです。 (2020年2月20日 17時) (レス) id: a52b3e9031 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:-naki- | 作成日時:2020年1月15日 21時