第５７９話 脇腹の痛み ページ34
緑谷が先行し、その後ろを３人がついて行く陣形。
私はと言うと──･･･。
少し離れたところで緑谷に並ぶようにして走っていた。
だけど、体の周りにちょっとした細工をしてある。
峰田｢にしても･･･少しも見えねーな、操間の姿。本当に緑谷の隣走ってんのか？｣
そう、自分の姿が見えなくなるように水をミスト･･･霧化させ、光を屈折を利用している。
新技の１つ──
透ちゃんみたいに完璧に透明ってわけじゃないし、霧の操り方を間違えればあっという間に意味を持たなくなる。
まぁ、後ろにいる峰田に見えていないなら及第点。
そう思ってる中、緑谷は後ろにいる３人に合図を送ったあと前へと先行する。
『操間さん、僕が囮に出たら遊撃を始めて』
あらかじめ緑谷から言われていたことを思い出し、私は強く踏み込みジャンプしてパイプの上に乗りあがる。
パイプの上に飛び乗って勢いのままに右足を立ててしゃがみこむようにして着地をした。
その時──･･･。
ズキッ──！！
貴｢いっ──･･･！？｣
右脇腹に走る鋭い痛み──やっぱり、いつもの感覚で動こくとめっちゃ痛い。
パイプの上で右脇腹を押えながら、少しの間動きを止める。
貴｢･･･ふーっ･･･｣
目を閉じながら息を吐いて痛みを紛らわせる。
緑谷には肋骨を痛めてるからいつもどうりに動けないことは伝えてある。
それを考慮しての緑谷の作戦。
できることは──やらなきゃ･･･！！
キッと目を開き、立ち上がる。
そして右脇腹に痛みが走らないよう、慎重に──なおかつ迅速に進んでいった。
自分のやるべきことを、するために──！
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作者名：朔怜ｰｻｸﾚｰ | 作成日時：2021年8月4日 22時
