【ﾋﾛｱｶ】天邪鬼少女の成長日記Part1 (ページ12)

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第１０話私の日課ページ12

黒髪の男の人は、リカバリーガールと呼ばれる人のところまで私を運んでくれた。

名前も知らない私のことを、2回も運んでくれるなんて･･･すごく優しい人･･･。

あの人もヒーロー志望なんだ、よね･･･。

すごくいいヒーローになりそう。

リカバリーガールに怪我した脚を完璧に治してもらい、帰路につく。

駅から歩いてすぐに私の家がある。

カバンから鍵を取り出してドアを開ける。

貴｢ただいま｣

ぼそっと呟いたその言葉は、こだますることなく、静かに消えていく。

返事を返してくれる人は、居ない。

私、1人だ。

私は帰るなり仏壇に飾られているとある人の遺影の前に正座をし、こう続けた。

貴｢ただいま･･･お父さん｣

そう。その遺影に映し出されているのは、10年前に私を残して逝ってしまった、大好きだった、私のお父さん(ヒーロー)だ。

貴｢私ね、お父さんが通ってた雄英を受けてきたんだ。･･･ヒーロー科と普通科の両方。元々は、普通科だけにしようと思ったんだけど･･･先生が、勝手に第2希望にヒーロー科書いちゃってさ･･･｣

試験会場で好き好まない子を助けようとした事、瓦礫に押しつぶされてた事、そして男の子に助けて貰った事を全部話した。

昔から、今日の出来事をこうやってお父さんの遺影に話すのが日課になりつつある。

貴｢･･････雄英受かったら、あの人にもう1回、お礼、言いたいな･･･｣

お父さんに語りかけるようにでは無く、独り言のように、ボソリ、と吐き捨てた。