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＿＿＿A、A
途切れたはずの回線が、ゆっくりと修復され元の機能を取り戻していく感じがする。
「ご、めん、りんたろう......うち...」
「大丈夫。何も言わなくていいよ、分かってるから」
冷たい手のひらに頬を包まれると、恐怖と不安、緊張で張り詰めていた心がゆっくりと解されていくようだった。
目縁をなぞる指に少しくすぐったさを覚えたが、Aは少しも嫌な感じはしなかった。
むしろ心地が良く、角名の手に擦寄ってしまった。
そんなAの思わずな行動に、角名の指の動きがピタリっと止まった。
＿＿＿驚いた。まさか、Aがこんな行動をするとは
でもそれ以上に、嬉しさと彼氏に勝ったという気持ちが胸の中に込み上げてきた。
Aが彼氏に今抱く感情は、”緊張” ”不安” ”悲しみ”
だが角名には、”安心感” と ”心地よさ”
未だに教室の窓からこっそりと様子を見ている彼氏に、見せつけたくなった。
＿＿＿今のAに必要なのは、アンタじゃなく俺だ、ということを。
だからごめんね、A。
Aの後頭部に片手を回し、もう片方の手を腰に回し自分の方へと引き寄せた。
華奢で、今にも壊れてしまいそうな体を傷つけないように胸へ顔を押し付け、抱きしめる。
心を散々傷つけた事を後悔させるように。
もう、此奴は渡さないという気持ちを込めて。
「A、こっち向いて」
角名に呼ばれ、顔を上げた時だった。
今日初めてちゃんと見た角名の瞳は、少し熱を帯びていて柔らかな色を浮かべていた。
「どした？ りんた＿＿＿」
ふわりと香る爽やかな制汗剤が、鼻をかすめる。
一瞬の出来事に、何が起こったか理解する事は出来なかった。
様子を見ていた生徒達の悲鳴が聞こえる中、Aは時間が止まっているような感じに囚われていた。
マスク越しに唇に残る柔らかな感触に、血流が一気に頭まで上がってきて熱が集中し始める。
そして、角名が最後に言い放った”言葉”が、頭の中を木霊し続けている。
＿＿＿好きだよ、A
あぁ、さっきまでの頭痛と吐き気は何処に消え去ってしまったのだろうか。
君の声と言葉は、まるで ”エリスバン” のようだ。
＿＿＿
【エリスバン】
ベンゾジアゼピン系(長時間型)
心身症の身体症候、不安、緊張に適応する。
副作用→依存性
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ソラ(プロフ) - ami☆さん» 読んでくれてありがとぉぉ！！ サイレースとパキシルね！話の途中でぶち込むね！丹精込めて書いてきます！！ (2020年3月31日 23時) (
レス) id: 4de741d4e7 (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - ソラさん» リクエストします！ サイレースとパキシルをモチーフにしたお話を読みたいです…！(ざっくりしててごめんね) お願いします！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - ソラさん» 凄く面白かったぁ！ 頑張ってね！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - ami☆さん» amiちゃん！呼んでくれてありがと！ひょっと、思いついてね！亀更新だけど、がんばります！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: ab9ea58111 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - まーまーさん！読んでくださって、ありがとうございます！文字数を中々少なく出来なくて.......がんばって、少なくしてみます！アドバイス、ありがとうございます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: ab9ea58111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作者ホームページ：https://twitter.com/A5LKSPZiLYiWd6N?s=09
作成日時：2020年3月27日 18時
