【2 エリスバン】 ページ6
「手伝うよ」
朝練終わり、部員達が着替えに行っている時だった。
体育館外の水道台でスポドリの容器を洗っていると、背後から容器をひとつ取り上げられた。
振り向かなくても分かる、この声の主。
低くて安定している声に、耳を奪われる人は多いのではないだろうか。
稲荷崎高校に入学してから、出席番号順で並ぶと必ず前後で、クラスは2年間同じ。
「ありがとう、倫太郎。相変わらず、着替えるの早かね」
「そう？ Aがまだ洗ってるかなって思って、急いで着替えてきた」
「急がんで、ゆっくりでよかとに」
既に制服へと着替え終わった角名は、残りの容器を手早く洗っていく。
めんどくさいことは、率先してやらないタイプだが、Aが絡んでいるとめんどくさいことでも率先してやるという。
顔や感情に出さないが、A大好き人間なのだ。
「A。今日マスク付けてるけど、風邪ひいたの？」
洗い終わった容器を拭き、カゴに直していく角名は横目でAの顔を見ながらそう尋ねた。
他の部員達にも同じことを聞かれ、”予防だ” と言っていた事ぐらい彼は確認済みだった。
ただ角名は、本当の理由が知りたかった。
ここ最近様子がおかしかったが、Aは何があったかのか隠して教えてくれなかった。
その理由が、”迷惑をかけたくないから” という事も知っている。
頼ってほしい。それが、角名の本心だった。
強がって、ストレスを溜め込み、心が壊れるまで弱り果てるなら、迷惑をかけてでもいいから頼ってほしい。
誰も、迷惑だなんて思わないのだから。
＿＿＿予防たいね
そう言おうと開かれた口は、テーピングが巻かれた細長い指によって阻止された。角名の親指と人差し指が、マスク越しに頬をつまんでいるのだ。
「いい加減、嘘は聞き飽きたからね」
頬から手を離すと、一呼吸置いて ”ごめん” と小さな声が零れた。
聞きたいのは、そんな言葉じゃない。でも、今の状態のAに問いただしても精神的に追い詰めるだけ。
俯いたままのAの頭を優しく撫でると、肩が少しビクついたのが目に見えて分かった。
「りん、たろう......？」
「何でもないよ。落ち着いたら、話して。Aが話してくれるまで、待ってるから」
そんなに怯えなくても、大丈夫。
”俺等”は、何時までもAの見方なんだから。
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ソラ(プロフ) - ami☆さん» 読んでくれてありがとぉぉ！！ サイレースとパキシルね！話の途中でぶち込むね！丹精込めて書いてきます！！ (2020年3月31日 23時) (
レス) id: 4de741d4e7 (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - ソラさん» リクエストします！ サイレースとパキシルをモチーフにしたお話を読みたいです…！(ざっくりしててごめんね) お願いします！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
ami☆(プロフ) - ソラさん» 凄く面白かったぁ！ 頑張ってね！ (2020年3月31日 17時) (レス) id: 8fb5979ada (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - ami☆さん» amiちゃん！呼んでくれてありがと！ひょっと、思いついてね！亀更新だけど、がんばります！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: ab9ea58111 (このIDを非表示/違反報告)
ソラ(プロフ) - まーまーさん！読んでくださって、ありがとうございます！文字数を中々少なく出来なくて.......がんばって、少なくしてみます！アドバイス、ありがとうございます！ (2020年3月30日 12時) (レス) id: ab9ea58111 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ソラ | 作者ホームページ：https://twitter.com/A5LKSPZiLYiWd6N?s=09
作成日時：2020年3月27日 18時
