奇病少女と刀剣男士【刀剣乱舞】 (ページ5)

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弍振目零舞side ページ5

『ここが、本丸……』

こん「初めまして審神者様！私こんのすけと申します！」

『あ、よろしくねこんちゃん……』

こん「では早速加州清光様を顕現いたしましょう！」

『どうすれば……？』

こん「手を翳して、心を込めて加州清光様を呼んでください！」

『わ、わかった……』

僕は言われるがまま、本体に手を翳した。

『加州清光様……僕に力を貸してください……』

すると桜の花が視界いっぱいに広がって、

加州「俺、加州清光。川の下の子、川原の子ってね。扱いにくいが性能はピカイチ。いつでも使いこなせて可愛がってくれて、あと着飾ってくれる人大募集してるよ」

黒と赤を基調とした服の男性が出てきた。

『初めまして、加州清光様……僕は零舞と言います。僕に、貴方の力を、貸してくれますか？』

加州「その前に、あんたは俺を、愛してくれる？」

『愛……が何か分からない』

加州「？人の子は、親に愛されるんでしょ？なのに……」

『あの人達は僕を愛してなんてくれなかったっ！』

大声を出してしまった。神様の前で。悪い事だとすぐに分かった。でも、溢れだした言葉と涙を止めることは僕には出来なかった。

『いつも、いつも僕を殴るんだ！あんたなんて産まなきゃ良かったって言いながらっ！僕だって望んでこんなふうに産まれたわけじゃないのに！』

きっと僕の髪の色は変わっているだろう。深い、深い赤……深緋に。

『僕だって愛されたかった！頭を撫でて欲しかった！優しい言葉をかけて、欲しかったっ……ﾋｯｸ……ｳｩ……』

こん「審神者様……」

『僕は……お母さんとお父さんが……大好きだったのに……』