二十五話 ページ5
貴方side
あの打ち合わせから一週間経ったある日。
再び映画の打ち合わせの為、事務所に向かった。
あぁ、ホント憂鬱だなぁ……なんて考えてた私。
憂鬱なのは、その後だった。
・
・
・
打ち合わせは順調に進み、今は撮影のスケジュール確認。
まぁ相手が和希なのはちょっとあれだけど、でも嫌いって訳じゃないから。
ただ気まずいなぁって私が思ってるだけだし。
そんな事を思っていたその矢先。
マ「じゃあこの日から三日間泊まりで撮影ね」
……？
泊まり？とは？
マ「丁度三連休と重なるから学校もないし、いいんじゃないかしらって」
いいんじゃないかしらって、決定事項でしょ、それ。
泊まりかぁ。
ちょっと楽しみかも。
他の女優さんと仲良くなれるチャンス……！
憂鬱だった撮影が、少し楽しみになった。
・
・
・
無事打ち合わせを終えて家に帰ると、親の代わりに何故か勇次郎がいた。
貴「ただいま……なんで勇次郎がいるの？」
勇「おかえり。おばさんとおじさん、今日帰って来ないから僕が面倒見てあげてって言って出かけて行ったよ？」
マジか。
一人娘を置いて出掛けるなんて。
まぁいいや。久々に勇次郎と居れるし♪
勇次郎がご飯を作ってくれていて、一緒に食べた。
お互いの仕事の状況や、たわいもない話をした。
貴「……それでね、今度撮影で三日間泊まりになったの」
私が今日の報告でそういうと、勇次郎がピシッと固まった。
勇「泊まりって、あいつもいるの？」
貴「あいつ……あ、和希ね。いるよ」
勇「三日間、ずっと一緒なの」
貴「まぁ主役同士だから……」
勇次郎、めっちゃ不機嫌だ。ヤキモチ、妬いてるのかな……。
すると、急に勇次郎は立ち上がって。
何事かと思った時にはもう、勇次郎の腕の中だった。
勇「いい？Aは、僕のだからね。ぜったい、何処にも行かないで……。あいつに、取られたくない」
そう言う勇次郎の声は、震えていた。
貴「……大丈夫。何処にも行かないし、私には、勇次郎だけだよ。私が大好きなのは、勇次郎だよ」
勇「……うん」
こんなに弱ってる勇次郎、珍しい。
よっぽど疲れてるんだろう
貴「勇次郎、今日はもう寝よう？疲れてるでしょ」
勇「うん。じゃあ、一緒に寝よう」
……ん？
一緒に寝る？
私が困惑してる中、勇次郎はさっさと私の部屋に向かった。
--------------------------------------------------
続きます！
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 59人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
髪様 - 眠りながら終わるってめっちゃ綺麗 (2020年4月28日 23時) (
レス) id: a311e75dfe (このIDを非表示/違反報告)
カノン♪ - 続編！来ましたね！楽しみにしてました！これからファイトです！ (2018年8月2日 10時) (レス) id: 68b3d0d765 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：月紀乃 | 作成日時：2018年7月30日 18時
