最強コンビ、ここにあり (ページ24)

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Aside

※＿は過去のことを話し始めたり、思い出したりする時の記号です
※前回の過去編の続きです

「ｯお前!!何で俺にすぐ言わねえんだよ!!」

『だって貴志が虐められるのなんて見たくない!!!!』

「お前俺が虐められると思ってんのか!!」

『思ってないけど!!…でもやっぱり不安だよ!!』

「思ってないなら言えよ、今…!!」

『………ｯ…貴志…助けて…!!』

涙ぐんでそういった私を見て、貴志は黒髪で真面目くんだったくせに、

満足気に、生意気にニヤリと笑って「ちょっと待ってろ」と私を置いて

教室を出ていった

数十分後、廊下に「キャーーｯ!!」っという悲鳴が響き渡った

何事かと廊下を見ると、虐めの主犯と貴志の姿

虐めの主犯の女の子の前には、数十匹のカナヘビが

…あの子カナヘビ苦手だったんじゃ…？と思ったら、貴志がニンマリとこちらを向いた

そして、視線を主犯に向けると「俺のAに手ぇ出すんじゃねえ!!」と一喝

更には「このこと〜先生とかにバラしたら、お前の机に虫詰め込んじゃうからねっ♡」

……なんて怖い子供だろうか

いじめの主犯はブンブンと首が取れそうなくらい首を縦に振ると

「ｯごごごごごごめんなさい!!!!」と土下座をして謝ってきた

『ちょ、あの、大丈夫ですから!!顔上げてください!!』と言うと

主犯は「本当にごめんね!!!!」と言って真っ青な顔で走って帰って行ってしまった

『……カナヘビって…』

「あ？」

『あの子がカナヘビ嫌いなの知ってたでしょ？』

「嫌いなものでやり返してなにが悪いのじゃ、Aはもっとやられたろ」

『…フフ、ありがと!!』

「……ま、見つかる前にこいつら戻して帰ろーぜ」

地面にいるカナヘビを見てそう言ってしゃがむ背中が夕日に照らされ

黒髪は少し明るく光る

その姿が何故か異様に、どうしようもなくカッコよかった＿

私を虐めの生活の影から、普通の生活の太陽の下に出してくれたのは貴志だったから

そのことは鮮明に覚えているけれど

今と昔は相手も状況も違うし

伊藤が私のため頑張ってくれているのに、貴志に助けを求めている私が居る

私ってマジで最っ低だなぁと思いながら自分で自分を自笑する

「おいもうジョセリーヌ出せ！ヤクぶっ込んでやっからよ」

『…京ちゃんに手ぇ出すなよ!!

…そんで…もうそろそろジョセリーヌやめてくれ笑いそう…(小声:small)』

「早く出せ!!」

「あっはい!!」

本当にやばいと思った時

伊藤の声が響いた

「やめろ〜!!」