#26 竹刀の音 ページ28
No side
チリチリと照り付ける太陽の元
磔にされている男、ロロノア・ゾロは思い出していた
＿一本だけ持って戦う少女と
二本使いの少年
二人の竹刀の当たる音が響く
「やあっ！」
「だあっ」
二本使いの少年は幼き頃のロロノア・ゾロ
幼きゾロは地面に倒れた
竹刀を一本だけで使いさばき、ゾロを倒した少女が
起き上がろうとするゾロに言う
「う、うう…」
「相変わらず弱いわねゾロ」＿
ゾロは心の中で発言する
＿約束したんだ＿
＿俺はこんな所で死.ぬわけにはいかねえんだ＿
ゾロの思いは強く、そしてその少女との誓いのようなものだった
ゾロの頭の中に
ゾロを倒した少女がうつむいた顔を上げて
ゾロに微笑みかける姿と、桜の花びらが浮かんだ
次の瞬間、ゾロはハッとして顔を上げた
「ハッ」
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Aside
私とルフィは磔にされてるぞろの前に立つ
すると今まで俯いていた顔が突然上がった
「ハッ…ん？」
ぞろはこちらの影に気づいて私達に話し掛けてくれた
「またおめえか？暇なやつだ
それに、おめえもさっき投げられたばっかだろ?いい加減学べ」
『うるさいよ』
「縄解いてやるから俺の仲間になってくれ」
ルフィはぞろに唐突に言った
ルフィ、またなんの前触れもなしに…
「なんだと?」
「俺は一緒に海賊になる仲間を探してるんだ」
『こいつは一度言い出したら意地でも諦めないよ、面倒くさいよ』
「断る、自分から悪党に成り下がろうってのか?ご苦労なこった」
「海賊の何処が悪い?」
「海賊なんて外道だ、誰がなるか」
「別にいいじゃんか」
そんなやり取りを広げるルフィとぞろを後ろから見る私はあることを考えていた
こいつ、絶対諦めて仲間にならないとルフィに一生付きまとわれるな…
しかも、仲間になったらこの二人はいいコンビになる
まあ、なるかすら分からないが。なんてことを考えていた
「元々お前悪い賞金稼ぎって言われてるんだから」
「世間がどう言おうと勝手だが、俺は後悔するような事はやっちゃいねえ」
かっこいいこと言うなコイツ、なんて思っていたら
ゾロは続けてニヤリと笑った
「何が何でも生き延びてオレはオレのやりたいことを成し遂げる‼」
「ハア〜そっか
でも俺はお前を仲間にするって決めた」
なんともルフィらしい言動に思わず笑った
どうやら私はルフィといると、ちゃんと感情があるらしい
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作者名：冬眠。 | 作成日時：2022年12月15日 15時
