#20 おにぎり ページ21
Aside
手を繋いで、私とリカちゃんはゾロの前に出た。
「あの子殺.されちゃいますよ‼」
「何だ？」
海賊狩り・“ロロノア・ゾロ”は言った
「お腹すいたでしょ、あたしおにぎり作ってきたの」
『優しいね、リカちゃん』
「殺.されてえのかチビ、消えな」
そう言われて、リカちゃんはどう出るかと思っていたら
泣くこともなくおにぎりの包を開けていた
「お兄ちゃんもうずっと何も食べてないんでしょ？
はい！あたし初めてだけど、一生懸命作ったから‼」
『食べたげてよ、お兄ちゃん?』
「っ、な…腹なんか減っちゃいねえ‼目障りだ、とっとと帰れ‼」
「でも…」
「いらねえっつったろ‼ぶっ飛ばすぞ‼」
『…』
私はこの人の反応が少し揺れたのを見て、何かが来るので逃げさせようとしている
と悟ったが、時既に遅し。誰かが来てしまった。
???「いじめはいかんねぇ」
「ん…」
???「へへへへへ」
『リカちゃん、下がってて。』
???「意外と元気じゃないか、ロロノア・ゾロ」
「また変なのが出てきたな」
「よかった！きっと海軍の人ですよ‼これでAさんもあの子も大丈夫です‼」
???「おや？美味しそうなおにぎりだね、このお姉さんと一緒に作ったのかい?」
変な頭のやつは、リカちゃんの手からおにぎりを取って食べ始めた。
「あっダメ‼」
『ﾁｯ…』
変なやつにおにぎりを与えてしまった…不覚…
???「ん！あ〜クソ甘え〜‼砂糖だらけじゃねえか、おにぎりは普通塩だろうが、塩‼」
『勝手に食って文句言ってんじゃねえぞ、クソ頭』
「だって、甘いほうが美味しいと思って…」
???「ﾁｯ‼こんなもの、こんなもの‼」
『ｯﾁ‼あぶねェ‼思いの詰まった食料無駄にすんじゃねェ‼‼』
私は地面とおにぎりの間に手を入れたが、
クソ頭に踏まれて泥だらけになってしまった
まあ、今は私の背中を踏まれているのだが
別におにぎりがこれ以上汚れないのなら良かった
「やめて、やめて〜！」
「Aさん‼‼なんて酷いことを…‼」
「A…」
???「この…この…この…‼‼」
「ああ…」
『おにぎり、踏まれちゃった。ごめんね、リカちゃん。』
起き上がってリカちゃんに言うと、今にも泣きそうになっているリカちゃん
そりゃそうだ、初めて作ったおにぎりをゾロにも食べてもらえず
挙げ句目の前でおにぎりが踏みつけられるなんてなんて酷なことをするのだろう
「あ…あたし一生懸命作ったのに…うう、うっ…」
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作者名：冬眠。 | 作成日時：2022年12月15日 15時
