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ポアロって言ったらよく雑誌に載っているあの毛利探偵事務所の下にある喫茶店だ。そんな一目に着く場所で降谷くんは仕事を? 一体何のために――。


そんなことを思いながら未だ伸びて起き上がらない犯人の足元で先ほど取り上げた拳銃から念のため弾丸を取り出している途中、後ろから服を引かれ思わず振り返る。
そこには私より少し一歩前に出た降谷くんがさっきよりも鋭い目付きに変わっていた。


「二人は知り合いだったんですか?」


そう降谷くんが鋭い目つきで問いかけた先は沖矢さんだった。


「ええ、先程高速道路の路肩で困っていたところを助けて頂いたんです」
「へぇ、そうですか」


普通の会話のはずなのに、なぜかギスギスとした空気が張り詰める。

というか降谷くんって沖矢さんと知り合いだったの? そんなことを思っていれば張り詰めた二人の空気を引き裂くかのように遠くからパトカーのサイレン音が聞こえ始める。

一通りの事情聴取が行われ犯人は現行犯で逮捕、約一時間後にこの一件は無事に解決し再び米花町には平和が訪れた。


「ご協力、ありがとうございました!」
「いいえ〜」


犯人を乗せたパトカーに最後の警察官が乗り込んだ。警察官に敬礼を返しながらパトカーが見えなくなるまで見送っていると急に手首を掴まれ何者かに引き寄せられ、突然のことで思わず目が見開いた。

私の視線の先、突然腕を引き寄せたのは昴さんだった。

思えば、沖矢さんって何を考えているのか分からない。いつもの笑顔が消えており、私は無意識に少しだけ腕を引くと沖矢さんがゆっくりと口を開く。


「怪我を、されているようです」


そう言われて掴まれた右腕を確認してみれば知らない間に擦り傷が出来ており血も出ていた。


「うちで手当をしましょう」
「でしたらここからだとポアロが近いです。それに、どうですか。米花町を守ってくれたお礼にご馳走しますよ。いいですよね、梓さん」
「すごくいいと思います! ぜひそうしましょう! この後、時間大丈夫ですか?」
「ええ、私は大丈夫ですけど…」
「では早速向かいましょう、案内しますよ」


そう言うと降谷くんは掴まれた沖矢さんの腕を払う様に私の手首を掴んだ。

シフトが迫っていると足早にその場からいなくなってしまった梓さん。さっきも思ってたけど意外と足が速い。気づけばもういなくなっていた。



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ネイジェ - すごい、言葉に表せないくらい面白い!!更新頑張ってください! (2022年6月15日 19時) (レス) @page29 id: 17a7d13276 (このIDを非表示/違反報告)
ひゆめ(プロフ) - 凄く面白いです!!更新頑張ってください。 (2022年6月15日 12時) (レス) id: 141a54d8d9 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:冬 磨 | 作成日時:2022年6月14日 23時

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