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『私にとってオッパは太陽だよ』


空がこんなに澄み渡っているのをみたのはいつぶりだろう。

青い空に少しの白い雲。
吹き抜ける風が心地よかった。

胸につかえていた重たいものが、とても軽く思えた。

悩んでいた事や思い詰めていた事が、なんだったのかと一瞬忘れてしまうほど爽やかだった。


僕を太陽のようだと言ってくれるA。

沢山の事を温かく見守れているのだろうか。

僕は沢山のものを照らす自信はないし、僕はそんな太陽のような。
とても立派な存在ではないと思う。


だけど。


Aがそう言って笑っているから、
なんだか本当にそうなんじゃないかって
少しだけ思った。


周りの言葉も、カラット達の言葉も、自分の言葉も。
もっと信じていかなくちゃいけない。
僕は信じていたかったんだ。



声を出そうとしたら、なぜか熱いものが込み上げてきて
思わずまた空を見上げた。


隣にはAが居て、微笑みながらぎゅっと抱きしめてくれた。



「…ありがと」


顔なんか見れなくて、声だって震えてて、思わず鼻水を啜ってしまうダサい僕だけど。


『オッパは私が照らすから、いっぱい泣いたっていいんだよ』


そんな風に言われたら、涙が止まらなかった。
口を覆って顔を隠すと、優しく頭を撫でられた。



「…うわ…チンチャ…ごめ」


『なんでオッパが謝るの?いつも私だって、メンバー達だってオッパにどれだけ助けられてるか知らない?』


『あはー!もうオッパ、愛してるよ』



僕より随分背の低いAが正面から僕を抱きしめてくれた。

腰を少しかがめて、優しく抱きしめられながら涙を止めるのに必死だった。




『ねぇ、ソクミニオッパ』


「…ん?ごめんな」


『ううん、違うの(笑)』


「どうした?」


『オッパ達がトイレ覗きにきたよ(笑)』


「うぇ、うぇ、うぇ?」



涙を拭いながら振り返えると、窓にべったり張り付いてこっちを見つめる12人のシルエットが見えた。

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作者名: | 作成日時:2021年12月5日 17時

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