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『スンチョルオッパも、ハニオッパも、ジスオッパもスニョンオッパも…嫌いー!』
『Aの言う事は信じてくれないのに、ハンソルオッパの事はすぐに信じるんだよぉ!もう!お酒飲もう!飲まないと寝れない!』
とたんに捲し立てるAにびっくり。
くるっと部屋の冷蔵庫を向いて、中からビールを取り出している。
「嫌いだなんて言ったらまた怒られるよ」
『いいの!何回も言ってやる!』
プシュッとプルタブを引いてビールをごくごく飲んでいるA。
ベッドに座ってまた飲もうとするから、隣に座ってその手からビールを取り上げる。
「ほら、一気に飲んじゃだめだよ」
『オッパぁ!』
ぎゅっと正面から僕に抱きついてくるから慌てて、ビール缶を床に置いた。
僕の胸に顔をぎゅっと押しつけるA。
くすぐったくて可愛い。
そっと背中に手を伸ばして、僕も抱きしめ返す。
Aが顔を上げて、ふふっと嬉しそうに笑う。
「なに?(笑)」
けれどAは何も言わずにクスクス笑って、
僕の頬に手を伸ばして顔を触っている。
『オッパは…とっても綺麗』
「そう?Aが綺麗だよ」
そういうと、Aは僕の手を持ち上げてAの頬に手を添えた。
『オッパの手も綺麗』
『オッパの全部が綺麗で大好き』
アルコールがまわってきたのか、少し頬が赤くなってきた。それとも照れてる?
僕には分からないけど。
僕の胸の中で、僕のことが綺麗で大好きというAに
痛いくらいドキドキした。
Aをじっと見つめると、クスクス笑ってたけど僕をじっと見つめた。
視線がぶつかった時、まるで時間が止まったみたいだったけど。
吸い寄せられるようにお互いの唇が同時に触れ合って、
その柔らかさと甘さに驚いた。
チュッと啄むように触れた唇は、
何度も何度も柔らかくぶつかって。
次の瞬間には、角度を変えて何度も深く合わさった。
ひどく甘い。
離れなければ行けないのに離れられない。
Aも僕を求めるように追いかけてくる。
僕の頬に触れるその手を掴んで、ぐっと体を起こすと
Aはベッドに倒れこんでしまった。
覆い被さるように上からAを見下ろすと、
首に手を回されてまた唇が重なった。
甘い。甘すぎる。
溢れる吐息も、絡み合う唾液も、熱くて。
僕を見上げるAが綺麗で。
「A」
何度も名前を呼んだ。
Aはものすごく妖艶に笑った。
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作者名:蘭 | 作成日時:2021年12月5日 17時