うちのマンネは天真爛漫3 (ページ30)

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胸元を少し整えて、Aの側に落ちているヒョンの部屋のタオルケットを肩からかける。

少しふらつきながら立ち上がったA。

髪をかきあげながら、テーブルの上のペットボトルを手に取って水を一口飲む。

そんな俺の動きをじっと見つめているA。
涙は止まったが、いつもの様子ではなく不安そうだ。

また一口、ペットボトルから水を飲み
口に含んだままAの後頭部に手を回して引き寄せ、
唇を合わせた。
口の中の水を少しずつ流し込むと、こくんとAの喉が動くのと同時に、あごに少し水が伝った。

『…おいしい』

そう言って小さく笑った。

自分でやっておきながら、部屋の薄明かりの中で
佇むAが綺麗で。怪しくて、堪らない。

『抱っこしてほしい』

俺の首に手を回して、座ったままの俺を見下ろすA。

残っていたはずの俺の理性が、吹っ飛んでしまうかと思った。

何も言わずにそのまま横抱きになるように立ち上がる。
Aは嬉しそうにふふっと小さく笑った。

肩にかけたタオルケットが落ちたが、俺にギュッとまた抱きついたAのせいで
俺は早くこの部屋から出たかった。

Aの軽い体が、俺をどこまでも揺るがす。

首元にかかる吐息と、密着する腕と体。

思わず一瞬顔を顰めた。

『オッパごめんね…苦しい？』

「平気。大丈夫か？」

『オッパが居てくれるからAは平気だよ』

「ん。良かった」

『…泣いてごめんなさい』

「泣いたっていいよ」

部屋の前に来て肘でドアを開ける。

『オッパ…離さないでね』

暗い部屋の中では、よく見えないが俺のベッドにそっとAを下ろして覆いかぶさる。
オッパ、オッパと俺を呼ぶ声が耳に心地いい。

「っ…ごめ…俺我慢できそうにない」

苦しそうに吐き出したミンギュ。

『オッパ、嬉しい』

2人の唇が再び重なった。

リビングで寝ていたホシ。
ドアが閉まる音がした瞬間いびきが止んで、寝返りをうった。
目は閉じられたままだったが、ぐっと握られた拳は爪の先が白くなっていた。

Aの声に反応して目を覚ましていたのがミンギュだけではなかったことを、
2人は全く知らない。

ミョンホのパジャマが音もなくベッドの下に落ちた。