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127.ミンギュ ページ27

『…ミンギュオッパ…ミンギュ…』




みんなで俺たちの宿舎に集まって飲み散らかした夜。


約束してたわけでもないけど、突然始まったその日の夜も、賑やかで騒がしくて楽しかった。
俺らが集まって大人しく終わるわけはないけど、
飲んで食べてゲームをして。
やってる事はいつもと変わらない。

散々飲んだ後、部屋に戻ったメンバーもいるし、
リビングでそのまま寝てしまったメンバーもいた。

俺もそのうちの1人だった。
自分の部屋があるけど、騒いだまま寝てしまっていたらしい。

片付けは明日起きたらみんなでしようと、約束したような気がする。


あんなに騒がしかったのに、すっかり静まり返っていたリビング。
ホシヒョンのいびきが聞こえるくらいだ。
それがうるさいんだけど。


酔ったAはミョンホと寝る!と息巻いていたけど、
スンチョリヒョンが散々悪態をついてそれを阻止して
なんやかんやあってヒョンの部屋で眠っていたはずのA。
(ヒョンはその時、オッパのケチ!とAに言われて割と本気で落ち込んでいて、リビングのソファで丸まって寝ていた)


スンチョリヒョンの部屋のタオルケットを引きずって、
泣きながら俺の名前を呼んでリビングに戻ってきたようだ。


もう1つのソファの上で寝ていた俺。
俺を呼ぶ声がした気がして、ふと目が覚めた。
なかなか開かない目を擦りながら、
体を起き上がらせる。

俺の側までやってきたA。
今は座り込んで、泣いている。
まるで小さな子どものようだ。



「A…?どうした」


ぺたんと床に座って、俯いているA。

掠れたような声が出た。
頬にそっと手を添えて顔を上へ向かせると、
ぽろぽろと次から次へと涙が溢れている。


「何かあった?」


泣くのをぐっと堪えているようだが、涙は止めどなく流れている。
俺を見上げて涙を流すAの顔に俺の心臓がギュっと痛くなった。



『オッパが…ミンギュオッパが…』



「うん。俺?」


『オッパが…居なくなる…夢…居なくなっちゃう夢みたの…』
『離れていかない?…どこにもいかない?Aの側にいてくれ…いてくれないの?』



しゃくり上げながら涙を流すAは、目を擦って涙を止めようとしている。


『オッパが居なくなったら…やだよぉ…』



目の前で俺に居なくならないでと泣くA。
離れていかないでと泣くA。


「っ…」


深く息を吐き出す。
ゆっくりと息を吸い込んで吐き出す。
伸ばした手に涙が伝う。

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作者名: | 作成日時:2021年12月5日 17時

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