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「ほら、あそこにいるよ」
ソクジンに言われて振り返る。指差す先には、
『ユンギオッパ!』
ソファで横になっていたユンギを見つけると、
嬉しさからすぐさま駆け寄って行く。
『オッパぁ、元気だった?ご飯食べてる?ちゃんと寝てる?おーきーてーよー!』
腕を組んで顔を顰めるユンギは明らかにおきているけれど、目を瞑ったまま寝たふりをしている。
Aのテンションは上がって、かなり大きめな声のボリュームで話しかけている。
Aがユンギを覗き込み、頬をうりうりと触ると、体を揺らしながら寝返りをうってしまう。
『ユンギオッパ…Aのこと嫌いなの?』
小さな声で呟く。必殺技をくりだしたA。
ユンギはぎくっと反応する。
そのあと突然もぞもぞと動いて、うーんと体を伸ばし、今起きたという顔で起き上がった。
「騒がしいと思ったらお前か」
いきなり砂糖全開で微笑んで、Aの頭にポンっと手を置いたユンギ。
後ろでジミンとジンがそれを見て笑っている。
『オッパに会いにきたよ!』
「あぁ、そう。ちゃんとお前らの…オッパ達に言ってきたの?」
『えへ、言ってない!』
「なんでそこ威張っちゃうの。また怒られても知らねぇぞ」
『そしたらオッパも一緒に怒られて』
「なんで俺が(笑)ジミナ連れていけ」
『ふふふ、オッパが言うならそうする』
「ん、ほら」
僕!?と後ろからジミンの声がして、振り返るとジョンハナ怖いもんーと嘆いて反対側のソファに座りスマホを触ってる。
ソクジンは水を手に持って、お菓子をもぐもぐ。
ユンギはAが自分に向かって伸ばしてきた手を取って、引き寄せる。
Aは嬉しそうに笑ってユンギの片膝の上に座って、茶色の髪の毛を触った。
ふわふわした甘い香りがユンギの周りに漂う。
髪を触るAを見上げるユンギに、ふにゃふにゃの笑顔を見せるA。
「やめろ」
『やだ(笑)』
べっ、と舌を出していたずらっぽく笑うAに、
ユンギは顔を背けて笑った。
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作者名:蘭 | 作成日時:2021年12月5日 17時