うちのマンネは天真爛漫3 (ページ14)

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スタートのポーズを取ると、場内の歓声がどよめきに変わった。
信じられない体の柔らかさにアイドル達も驚愕している。
そして拍手が起こった。

いつもとは違うアイライン、赤い口紅。
私を見て、と言わんばかりの表情でオディールになりきる。

ただ演技が始まると、さきほどの歓声が嘘のように静まり返り、ただただAの世界に魅了それている。時折聞こえるのは感嘆のため息だ。

オディールからオデットへと表現が変わり、
儚げな表情でピボットを決めていく。

投げ上げられるリボンが弧を描いて真っ直ぐAの手へ吸い寄せられていく。

パンシェターンを決めると、
解説者が思わず叫んだ。信じられない！

軽々と前、横、後ろへと高く上げられる足に、ペン達も目を白黒させている。

メンバー達は両手を握りしめて祈るようにAを目で追っている。

そして、ラストの大技。
音楽も壮大なラストを迎え、Aはリボンを高く投げる。

そして、前転を2回ラスト3回目で見事にリボンをキャッチしてそのままラストのポーズを決めた。

割れるような歓声と拍手、スタンディングオベーションが沸き起こった。
メンバー達は叫び声のような歓声をあげて立ち上がり、拍手を送っている。

ミンギュに続いて、ドギョムを目を光らせている。
スンチョルの目も潤んでいてジョシュアに肩を抱かれている。

フロア上のAは、ラストのポーズを決めた瞬間にガッツポーズをして下を向いた。

体を震わせて立ち上がると、その目は涙で光っている。
顔を覆いながら涙を堪えて、右手の小指にキスをした。
そして立ち上がり、前後左右の観客へお辞儀をし手を振る。

グループの垣根もなく、ペンもアイドル達も素晴らしい演技をみせたAに惜しみない拍手を贈る。

同じ競技に参加して居たアイドル達も、驚きの表情で拍手をしている。