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「ディノヤ、落ち着け。大丈夫か?」
顔を覗き込んでディノを見つめるヒョンは穏やかだ。
「……大丈夫」
小さく答えるディノの肩をたたいて、ヒョンは笑った。
「全然大丈夫じゃ無さそうだけど、お前が言うなら信じるよ。とりあえず喧嘩するなら練習室行けよ」
「ホシは?」
背を向けて歩き始めたディノを見ながら、クプスヒョンは俺を見つめた。
責められた方がマシなのに、ヒョンの視線は温かい。
「……」
何も答えられなかった。
この人がAの隣にいたのなら、今みたいに悲しませずにすんだんだろうな。
もし…
「リーダーとして言うけど」
逸らしていた目をヒョンに合わせた。
「逃げんな」
そう言って割と強めに背中を叩かれた。
「いっ…!」
「逃げ腰なホシなんて初めてみる気がする」
そう言ってケラケラ笑っている。
「あいつらも心配してる。思ってる事があるなら話せよ?1人で思い詰めたっていい事なんて1つも無いんだから」
いや、1人で考える事も必要だけどさ
なんて呟いて、ヒョンも自販機で水を買っている。
音を立てて落ちてきたペットボトルを拾い上げながら、ヒョンが振り返った。
大きめのTシャツを着るヒョン。
腕をかきながら笑う。
「やっぱり俺が攫おうか」
パキッと音を立て蓋を回し、ゴクゴクと水を喉へ流している。
ヒョンは笑っているのに。
長い睫毛が動くのを目で追っている。
「…辞めてよヒョン。その冗談笑えない」
「あ?冗談じゃないけど」
一瞬真顔になったヒョンだけど。
その後のヒョンの表情も声も温かくて、
肩に回された腕が重くて。
あんなに憂鬱だった今日の日が、ふいに明るく軽くなった気がしたんだ。
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犬飼いたい(プロフ) - 待ってましたー!!ほしくん!!すにょくん!!!えんだああああああああーーーいやああああ〜•*¨*•.¸¸♬︎ (6月13日 21時) (レス) @page49 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - piさん» 気がつけばこんなに時間がたち...お待たせしています。コメントへのお返事も遅くなり申し訳ありません!温かいお言葉が嬉しいです!ありがとうございました!終わり?終わりじゃないような…まだお話はありますのでまた読んで頂けると嬉しいです。 (6月13日 18時) (レス) id: 7b16d9cf4f (このIDを非表示/違反報告)
pi - 更新嬉しすぎます!ずっと待ってましたー!らんさんのペースでまた更新していただけたらと思います!展開が楽しみ、、、、! (2023年4月30日 23時) (レス) @page41 id: c3810fc1ba (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - あんぱんはこしあん派さん» わー待っていただきありがとうございます!ノロノロ更新なのに書きたい事はいっぱい、なのにお話が纏まらない!のでお時間を頂いています。地道に更新しますのでどうかよろしくお願いします🎵 (2023年4月25日 0時) (レス) id: bcb7f3d2b3 (このIDを非表示/違反報告)
あんぱんはこしあん派(プロフ) - ホシくん頑張れ。。 (2023年4月24日 23時) (レス) id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:蘭 | 作成日時:2022年11月5日 15時