検索窓
今日:10 hit、昨日:13 hit、合計:89,981 hit

487. ページ37

「ディノヤ、落ち着け。大丈夫か?」

顔を覗き込んでディノを見つめるヒョンは穏やかだ。


「……大丈夫」
 

小さく答えるディノの肩をたたいて、ヒョンは笑った。


「全然大丈夫じゃ無さそうだけど、お前が言うなら信じるよ。とりあえず喧嘩するなら練習室行けよ」
「ホシは?」


背を向けて歩き始めたディノを見ながら、クプスヒョンは俺を見つめた。

責められた方がマシなのに、ヒョンの視線は温かい。


「……」


何も答えられなかった。

この人がAの隣にいたのなら、今みたいに悲しませずにすんだんだろうな。
もし…


「リーダーとして言うけど」


逸らしていた目をヒョンに合わせた。


「逃げんな」


そう言って割と強めに背中を叩かれた。


「いっ…!」

「逃げ腰なホシなんて初めてみる気がする」


そう言ってケラケラ笑っている。


「あいつらも心配してる。思ってる事があるなら話せよ?1人で思い詰めたっていい事なんて1つも無いんだから」


いや、1人で考える事も必要だけどさ
なんて呟いて、ヒョンも自販機で水を買っている。

音を立てて落ちてきたペットボトルを拾い上げながら、ヒョンが振り返った。
大きめのTシャツを着るヒョン。
腕をかきながら笑う。


「やっぱり俺が攫おうか」


パキッと音を立て蓋を回し、ゴクゴクと水を喉へ流している。

ヒョンは笑っているのに。
長い睫毛が動くのを目で追っている。


「…辞めてよヒョン。その冗談笑えない」


「あ?冗談じゃないけど」


一瞬真顔になったヒョンだけど。
その後のヒョンの表情も声も温かくて、
肩に回された腕が重くて。


あんなに憂鬱だった今日の日が、ふいに明るく軽くなった気がしたんだ。

488.ウォヌ→←486.



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (122 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
617人がお気に入り
設定タグ:SEVENTEEN , セブチ , 紅一点
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

犬飼いたい(プロフ) - 待ってましたー!!ほしくん!!すにょくん!!!えんだああああああああーーーいやああああ〜•*¨*•.¸¸♬︎ (6月13日 21時) (レス) @page49 id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - piさん» 気がつけばこんなに時間がたち...お待たせしています。コメントへのお返事も遅くなり申し訳ありません!温かいお言葉が嬉しいです!ありがとうございました!終わり?終わりじゃないような…まだお話はありますのでまた読んで頂けると嬉しいです。 (6月13日 18時) (レス) id: 7b16d9cf4f (このIDを非表示/違反報告)
pi - 更新嬉しすぎます!ずっと待ってましたー!らんさんのペースでまた更新していただけたらと思います!展開が楽しみ、、、、! (2023年4月30日 23時) (レス) @page41 id: c3810fc1ba (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - あんぱんはこしあん派さん» わー待っていただきありがとうございます!ノロノロ更新なのに書きたい事はいっぱい、なのにお話が纏まらない!のでお時間を頂いています。地道に更新しますのでどうかよろしくお願いします🎵 (2023年4月25日 0時) (レス) id: bcb7f3d2b3 (このIDを非表示/違反報告)
あんぱんはこしあん派(プロフ) - ホシくん頑張れ。。 (2023年4月24日 23時) (レス) id: 3d5654d2e4 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名: | 作成日時:2022年11月5日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。