うちのマンネは天真爛漫10

454.ドギョム ページ4

『ねっ？オッパ一緒に行って？お願い！』


目の前で手を合わせて、甘えた表情で僕にお願いをするのは僕たちの可愛いAだ。



「いや、さすがにダメだって」

『こんなにお願いしてるのに！？』



……Aはずるい。

そんな顔をして、そんな風に言えば僕はおろか、メンバーの誰もが断れない事を知ってるくせに。



「ぐっ…うん、それでもダメなものはダメ」


『今回だけだよ？ねぇ、Aとは行ってくれないの？』


「っ…う、うん！Aとはダメ！」


『…ドギョミオッパぁ』
　

「やだやだ、やめて」


『ドギョミオッパ、お願いぃ。Aのお願いきいてほしいの』


「…うわあああ！もうやめて(笑)いいよって言っちゃいそうだよ僕」


『いいでしょ？一緒に来てくれる？だめならA1人で行くよ？』


「……1人でなんて絶対にダメ。1人になるのも絶対にダメだから…」
　

『うん！ならない！オッパと一緒にいるって約束する！』


「でもヒョンが嫌がるんじゃないかな…だって、その…すごくプライベートなことだし…」
　

『だって！オッパに内緒にしないとびっくりしてくれないでしょ？』


「だけど！…そうだ…これまでは誰と行ってたの！？」


『オンニかホシオッパ』



ねぇ。もうやだ。あのヒョン。



「…っ！？ヒョンと行ってたの…？」


『そうだよ。今日はオンニは仕事だって言ってたし、今ここにいるのはオッパでしょ！』
　

「う…それなら…いいのかな。仕方ないよな…だけどちょっとだけだよ！？」



ため息を吐き出しながらそう言えば、
キラッキラさせて顔を綻ばせるA。


『ほんと！？きゃー！やったー！オッパありがとう！』


喜ぶAとは裏腹に、僕の心はモヤモヤとどんよりした気持ちで包まれる。


「やめて…罪悪感で死にそうだから」

『ドギョミオッパ大好き！』



なのにそんな言葉ひとつで簡単に心の中が晴れるなんて。




「僕ほんとにヒョンに怒られない？」


『怒られない！オッパが好きそうなの選ぶから！』


「……それはそれでなんか嫌だな」


『ふふ、やっぱりドギョミオッパは優しいから好き』


「あー…もうほんと全く…」



僕もAが好きなんだよ

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