うちのマンネは天真爛漫9

418.私 ページ18

テレビに映る13人。

メイクも衣装も何もかもカッコ良くて、最高に素敵で。

面白くて、仲が良くて。

そしてここはAの場所だよと、

不自然に空いたスペースがあって。

メンバー達も掛け声を叫んでくれるカラット達も、

みんな私の名前を呼んでくれる。

嬉しくて。

そこに自分がいなくて悔しくて、涙が出る。


だけど同時に。


13人のオッパ達がものすごくしっくりと来ていて、

私がいない13人が本当のSEVENTEENなんじゃないか。

こうして完全な男性グループとして本来なら活動していたんじゃないかって、

これまで考えては頭の中からかき消していた負の感情が巡る。

一緒に居れば、そんな事思わないのに。

少し離れれば、それが顕著に感じてしまう。


だってこんなにかっこいいの。

私が居なくてもこんなに素敵だから。






音楽が流れるだけで動き出す手足。

歌い方の癖も、踊り方の癖も、話し方の癖も、立ち方の癖も、笑い方の癖も、

全部全部わかる私の大切なオッパ達。

ほんとに、ほんとに。

何より大切で大好きなオッパ。

みんなが全員大好きだって、それはおかしい？

誰といたって幸せで、楽しくて、嬉しい。


私を呼ぶ声も、

抱きしめてくれる腕も、

頬に触れる指も、

重なる唇も、全部。


全部がオッパを形作るもので、

全部私に向けてくれる愛情で。


誰にも譲りたくないの。

オッパ達が他の誰かを見つめるのは嫌なの。



だけどそうやって。

Aがオッパ達を縛ってしまっているから。

オッパ達の幸せを本当に願うなら、

いつかは離れないといけないんだと分かってる。

だけど。だけど。


抱きしめられると嬉しくて、

求められると幸せで。

こんなにAを分かってくれる人は居ないから。


愛の形がどんなに歪んだものでも。

愛には変わりないんだから。


オッパ達の隣で笑うのはAだけだって、

この場所は譲れないって思うの。


ワガママ？嫌な子？分かってる。

なんて言われたっていい。


Aにはオッパ達がいてくれたらそれでいい。

この関係がおかしいのはとっくに気がついてる。

だけど譲れない。

SEVENTEENというグループと、オッパ達は。

何をかけても、譲れない。

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