363.不穏 ページ13
久しぶりにAのそんな顔を見た気がした。
「なに…なにやってんの…」
いつも通りに声を掛ければいいのに、
なぜか言葉がつまって、ぎこちなくなってしまった。
それほど、俯くAの表情は固くて暗かった。
着ている華やかな衣装とは対照的だった。
スタッフが出入りする楽屋で、
1人佇むAは、本当にそこに花が咲いたようだ。
なのにそこだけ時が止まったように、動きを止めたようなAはなぜかすごく悲しそうで。
僕の声にハッとして、
こっちを振り向くAはいつもの顔をしてて。
にっこり笑って僕を呼んだ。
相変わらず腹が立つほど愛おしいと思った。
『ううん！大丈夫！』
僕に伸ばすその手を握ると、また嬉しそうに笑った。
イヤモニを触りながら、凛と前を向く姿は
さっきの項垂れるようなAじゃなかった。
『チャニがいると心強いな』
僕もだよ。
その手が震えていた事に気がつけばよかったのに。
A、ごめん。
レコーディングスタジオに向かうはずのAを見つけたウジは、眉を顰めた。
事務所の一室から出てきたAは一人で。
浮かない表情をしていたから。
「A、お前どうした」
ウジがAを見つめると、まるで見られたくないとでも言うように顔を逸らした。
Aが出てきたのは、普段使われていないはずの部屋だ。
「A」
もう一度呼ぶと、瞳を揺らしてウジを見つめた。
けれどすぐに下を向いて
『…なんでもない』
少し震える声でそう言った。
なんでもないことでは無いのだと、思う。
けれどまだ話せないのか、話したくないのか。
それなら。
「そう思うならそうしろ。けど、後でちゃんと話せよ」
『…うん。ごめんオッパ』
本当はそんな姿を見ているのも辛かった。
強がらせるのも嫌だった。胸が痛くて。
Aを悩ませているものを、
取り除いてやりたくて仕方なかった。
「順番変えるか？」
レコーディングの事だった。
Aは首を振って鼻水をズッとすすると、顔を上げた。
『大丈夫、いける』
…お前はいつからそんな強くなったんだ。
その横顔は。
いつまでも小さくて幼いAではないのだと、
宣言するかのようだった。
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らん(プロフ) - 赤福食べたいさん» わー！お返事遅くなり申し訳ありません！クプチュセンイルに貴重なコメントありがとうございます！！ホシくんのビジュアル、ワールドツアーで炸裂してますね♡こちらこそ、ホランへです。ありがとうございます！ (2022年8月14日 0時) (
レス) id: 7b16d9cf4f (このIDを非表示/違反報告)
赤福食べたい(プロフ) - 更新待ってましたーーー(T^T) ホシ氏とのキュンキュン話、ありがとうございます！！尊いー！！らんさん、いつもホランへ(*´˘`*)♡ (2022年8月8日 16時) (レス) @page50 id: ae3f32f87f (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - みきさん» わぁ…コメントありがとうございます！がっかりさせた涙ではないといいのですが…また読んでいただけると嬉しいです。 (2022年7月23日 23時) (レス) id: 7b16d9cf4f (このIDを非表示/違反報告)
らん(プロフ) - 赤福食べたいさん» わぁ！気づかずすみませんでした！koroさんだったんですね！いつも読んでいただいてありがとうございます(;_;)ホシくんかっこよさ大爆発してますね♡ (2022年7月23日 23時) (レス) id: 7b16d9cf4f (このIDを非表示/違反報告)
みき - 涙が止まりません！ (2022年7月18日 23時) (レス) @page38 id: c80eb59dcb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：蘭 | 作成日時：2022年7月1日 22時
