第二章*加州くんとへし切さん ページ7
「あ………」
彼女に会った時にビビーーーーーーン!!って感じるんだ、と弟が嬉しそうに語っていたのを思い出した。
もしかして、この二人が私の運命の人……なの?
だって、そうじゃないと目が離せないなんて、こんなに格好いいって思わないんだもん……!
「あ、あの、ごめんなさい。怪我は……」
恐る恐る話しかけてみる。
するとどちらも赤くなっていた顔がさらに真っ赤になって、驚いたように顔と手を交互に見られる。
すると、カソックを着た方の男の人がスッと起き上がり、私に手を差し伸べてきた。
「俺の方こそ前を見ず申し訳ありませんでした。
貴女がこの本丸の後任の主ですよね?よければ中をご案内いたしますので、俺の手をお取りください。」
「わ、わざわざすみません!いいんですか?」
「勿論。俺は貴女の為なら何でもしたくなっちゃうので」
「ひょわわわわ」
あまりに格好良すぎる顔でそんな甘すぎる言葉を言われたら、ドキドキしすぎるに決まってる。
恐る恐る差し伸べられた手にそっと手を重ねると簡単に立ち上がらせてくれて、優しそうな嫋やかな笑顔を浮かべていた。
「あ、あっ、え、っと……ち、ちょっと!俺のことほっとかないでよ!」
「えっ!?」
「俺だって、爪紅がちょっと取れちゃったの!見てよこれ!」
「あびょばぼぼ」
もう一人の黒髪で赤い瞳をした男の子が爪と一緒に顔もぐっと近づけてくる。少し切れ長がかった瞳はまつ毛が長くて猫っぽいつり目がとっても可愛くて、怒った顔すらもご機嫌斜めな猫ちゃんみたいでとにかく可愛い。この世で可愛いって言葉はこの子の為にあるのかもしれない。
「ごめんね…!私の爪でよければ今すぐにでも剥ぐから……!!」
「新撰組並の処罰!!」
「でも爪、すごく綺麗な赤色だね。塗るの上手!」
「えっ……そ、そう?まあ俺は可愛いし?可愛がって貰える為には常に可愛くないといけないからさ〜……?」
そうは言いつつも褒められて嬉しいのか爪をちらちら見るようにして目を逸らされる。
な、何この子!すっごく可愛いんだけど!!
「というわけで!案内してもらうついでに俺の部屋で爪紅塗って、主♡」
「勿論いいよッ!!」
「……では、いきましょうか」
そのまま両手を取られて歩いてしまう。
手大きい、すごい、格好いい……!
.
「俺は加州清光。よろしくね、主!」
「俺はへし切長谷部です。よろしくお願いします。主」
「ステレオ自己紹介!!!」
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プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、続きの更新頑張って下さい。応援してます。 (4月29日 23時) (レス) @page12 id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
みさまるたろう - はじめまして‼︎ボクは個人的に脇差のみんなでわちゃわちゃしてて欲しいです……! (2月5日 0時) (レス) @page12 id: 1b4cf196fc (このIDを非表示/違反報告)
無音(プロフ) - 坦々麺さん» 大倶利伽羅と縁側デート…!?そんな、そんなの可愛いじゃないですか!!!!!いつになるかは未定ですが、書きたいです!お楽しみにしていてください! (1月28日 23時) (レス) @page9 id: a986d97cd1 (このIDを非表示/違反報告)
坦々麺(プロフ) - すっごい好き…めちゃくちゃ好き…最高です…!!個人的に大倶利伽羅を追加してくれると嬉しいです。縁側に座って2人で猫ちゃんと戯れている姿が見たいッ! (1月28日 21時) (レス) @page7 id: 14a944a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
無音(プロフ) - こだぬきさん» ありがとうございます!彼氏候補が出るのをお楽しみにしていてくださいね〜! (1月28日 3時) (レス) id: a986d97cd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2024年1月27日 0時