第二章*御守り ページ11
「あ、るじ?何を__」
「何言ってんの!?えっ二人と?えっ?本気で言ってんの?正気?頭イカれてるんじゃないの!?!?」
へし切さんの戸惑いと動揺を隠せない顔も、加州くんの怒りのあまり赤くなった顔も、どちらも胸が苦しくなりそうだった。加州さんの言っていることはごもっともな正論だ。前の私でも公開で二股するような人間はいなかった。
「イカれてるのも、自分が正気じゃないのも分かってます!だけど、だけど私には選べない!選びたくない……!!
出逢ったばかりの二人のことが、大大大好きになっちゃって、二人のうちの片方しかいない未来なんて考えられなかった!!!」
顔を上げる。二人とも驚いたような顔をしている。それでも私の気持ちを……"大好き"を伝えなければ、一生後悔するから、より一層声を張った。
「二股だからって悲しい思いは絶対にさせない!!全身全霊尽くす!絶対に幸せにするって約束する……!!
だからお願いします!二人とも付き合ってください!!!」
「……俺は、やっぱり一番がいいよ。愛されるなら一番愛されたい。だから長谷部と一緒なんて無理!二股なんて絶対に認めな、」
「でも私は一番二人を愛する自信しかないよ?だって、こんなに格好良くて可愛い二人なんだもん。私、初めてこんなにドキドキしたんだ。だから、二人に喜んで欲しくて、これを……」
そう言ってあるものを取り出し、二人に渡す。
刀剣御守だった。しかしただの御守りではない。
「それは、まさか【刀剣御守〜恋愛祈願ノ守〜】ですか!??」
「万屋で百万分の一の確率で売られていて、競争率えぐくて抽選で一名様にしか当たらないっていうあの!?」
「はい。こんのすけにも協力してもらって、合計1000個の捨てアドを使って抽選に応募し、当たるように気持ちを込めた媚びメールを一文一文丁寧に書いたよ。」
当たったと同時に転送してくれるもので本当によかった。
おかげで最新鋭のノートパソコンがアドレスの容量オーバーでパンクしかけ、私の腕も腱鞘炎になりかけた。
「私、御守り好きなんだ。だって願いを込めて買うなんてとってもロマンチックじゃない?だからこの御守に私の愛を込めて、二人に渡したら___
二人なら、喜んでくれるかなぁ…って………」
自分でも分かるぐらい顔がじわじわ赤くなる。
ああもう、こんなの子供っぽいって笑われるかな……
.
「「ぐぁーーーーーーーーッッッ!!!」」
目の前の二人が鼻血を出した。
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プスメラウィッチ(プロフ) - 初めまして、続きの更新頑張って下さい。応援してます。 (4月29日 23時) (レス) @page12 id: b10205217f (このIDを非表示/違反報告)
みさまるたろう - はじめまして‼︎ボクは個人的に脇差のみんなでわちゃわちゃしてて欲しいです……! (2月5日 0時) (レス) @page12 id: 1b4cf196fc (このIDを非表示/違反報告)
無音(プロフ) - 坦々麺さん» 大倶利伽羅と縁側デート…!?そんな、そんなの可愛いじゃないですか!!!!!いつになるかは未定ですが、書きたいです!お楽しみにしていてください! (1月28日 23時) (レス) @page9 id: a986d97cd1 (このIDを非表示/違反報告)
坦々麺(プロフ) - すっごい好き…めちゃくちゃ好き…最高です…!!個人的に大倶利伽羅を追加してくれると嬉しいです。縁側に座って2人で猫ちゃんと戯れている姿が見たいッ! (1月28日 21時) (レス) @page7 id: 14a944a4f2 (このIDを非表示/違反報告)
無音(プロフ) - こだぬきさん» ありがとうございます!彼氏候補が出るのをお楽しみにしていてくださいね〜! (1月28日 3時) (レス) id: a986d97cd1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:無音 | 作成日時:2024年1月27日 0時