美容師さん、審神者始めました。【刀剣乱舞】

18*刀と人 ページ18

広間を出て、山姥切と共に庭に出ていた。

青々とした緑が広がる。



『山姥切…どうしたの？』


｢主。
あんたは五虎退を出陣させるかで迷っている。
違うか？｣



長い前髪、そしてフードを被りながらも見えるのはギラギラとした瞳。

山姥切の問いに私は小さく頷くことしか出来ない。




｢俺たちは人の形をしていても、実体は刀だ。
刀の本望は戦で相手を刺し殺し、主を守ること。｣



｢あんたと俺たちでは考え方は違う。
五虎退だって見た目こそは子供だが殺傷能力はある。｣



｢これから先の出陣は敵も強くなる。
怪我して帰ってくることだってある。

主であるあんたは覚悟を決めてもらわなければ困るんだ。｣





山姥切の言葉は私の心を突き刺して行く。

審神者を依頼された時から分かっていたはずだ。



私達は主と刀。




『･･すぐに一人前の覚悟は出来ない。
刀でももう心があって側にいて、私にとっては皆がかけがえのない存在。

それでも…皆の力を信じている。』



広間に戻れば不安げな五虎退が私のもとに駆け寄ってくる。



『五虎退。出陣を命じます。
皆も誰一人欠けることなく、ここに帰ってきてください。』



全員が笑顔で返事をしてくれる。




まだまだ不馴れで臆病な審神者だけど、山姥切は私を主と認めてくれたからこその言葉。


お願いだから無事に帰って来て･･。


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