美容師さん、審神者始めました。【刀剣乱舞】

12*一人じゃない。 ページ12

A side



誰もいない本丸。

とても大きな屋敷。



この時代には知り合いも居ない。


勝手口からどこでもドアで現世には繋がるんだよね？
帰ったところでお母さんもいないし、仕事も辞めさせられたんだよね。



『寂しいな･･』



返事もない。

膝を抱えて縁側に座り池を眺める。


知り合って１日２日だけど山姥切の存在は大きいし、小狐丸さんや三日月さん、加州君とももっとお話がしたい。



私には戦場がわからない。
だから･･みんなの無事をただただ祈るばかり。




ぼーっとしたあと、審神者としての活動日誌をパソコンで制作することにした＿＿



＿のに、馬の足音が聞こえてきた。




｢｢主/ぬしさま！｣｣


｢戻った。誰も怪我をしていない。｣



ぶっきらぼうな山姥切の報告に、安心感と緊張感がとけ涙がバカみたいに流れた。



｢なっ･･何故泣く？！｣


『うぅ…皆が無事で、よかった…』



びゅんと何かが飛び付いて来たと思えば、加州君が抱きついている。
頬を擦り寄せ、嬉しそうにしながら。



｢ただーいま！みんな無事だから泣かないでよ？｣


『はいっ、おかえりなさい。』



｢泣いた顔も愛らしいぞ主。
ちとじいは疲れたゆえ、膝を借りる。｣


｢ぬしさま、ぬしさま！
小狐は誉を頂きましたぞ！｣



二人も側に来てくれる。
ふと見上げた山姥切はぷいっと視線を反らして、少し離れた場所に腰を下ろしていた。





｢あ、あの･･あなたがあるじさまですか？｣




山姥切の後ろに隠れていて見えなかったのは、小さな男の子と５匹の可愛らしい猫でした。


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