唯一。 ページ36
｢神様は知らないと思いますけど、人間ってひとりじゃ生きていけないんです。助け合い、支え合い、愛し合い、そうやって生きていく。
この本丸から出た縁さんに、それが出来るでしょうか？」
｢……少なくとも、それを決めるのはお前じゃない」
山姥切国広の声に、見習いの動きが止まる。
自分が一番彼女のことを知っていると言わんばかりの話しように、そろそろ気が滅入ってきた頃だったのだ。嫌悪感たっぷりの視線を向けられているにも関わらず、山姥切国広は平然としている。
きっかけさえあれば抜刀するつもりだった手を離し、いつもの様に布の裾を抑えた。
｢お前がいかに縁のことを……、愛している、のかは知りたくもないが理解した。だがそれは一方的なものだ。
……お前のやり方では、縁は愛を返さない。
お前を助けてくれない。支えてなんてくれない。」
｢……知ったような口を、」
｢そうは言われても、現にお前よりも過ごした時間が長いからなぁ」
数分前までとは異なる、余裕を持った鶴丸国永の姿に見習いは密かに眉を寄せた。
縁さんは私が抱えていて、彼女の生殺与奪の権も私が握っているにも関わらず、目の前の奴らの余裕はどこからくるんだ。
何かが可笑しい。
夢にまで見た状況まであともう少しのところだというのに、ここに来て異変を感じるなんて。
｢っ、兎に角、縁さんは私と一緒にこの本丸を出ます。こんなところに居たら、いつか縁さんが壊れてしまう。そうなる前に私が、この人を、救い出さなきゃいけない。
そしたら縁さんは私のものになる。
私だけのものになる。私に縋り付いて、離れないの。離さないの。
＿＿＿＿＿私が、縁さんの唯一になるんだから！！」
『＿＿＿＿成程、それが目的でしたか』
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奏(プロフ) - 見習いそうきたかぁ…。最近読み始めたんですが面白くて一気に最新話まで読み切ってしまいました...！続きが楽しみです、更新待ってます！！！ (3月5日 13時) (
レス) id: 872e19f483 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 鶴丸ぅ…おま、お前…てぇてぇ過ぎるだろ!!!!(クソデカボイス)見習いさんがどう行動起こすのか楽しみです…!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (5月9日 21時) (レス) @page16 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-naki-
| 作成日時：2023年4月28日 19時
