全てを。笑えない ページ25
え、と口から出たほぼ空気のような声は、空間にかき消される。
貫くような視線を向けてくる紫さんが何を思い、私から何を感じ取ろうとしているのか全く分からないが、どこか＿＿苛つきを感じるのは気の所為なんかじゃない。
｢お話、されてましたよね？あんな夜に、部屋に連れ込んで。何を話したんですか？」
『い、や……それは』
｢昨日の夕餉の時から様子がおかしいのは気づいておりました。山姥切国広様と目を合わせていたことも知っております。
……ですが、おふたりが何を話されていたのかまでは知りません。ですから知りたいのです。」
『ゆ、ゆかりさん』
物理的にも心理的にもこちら側に踏み込もうとしてくる紫さんに、また胸がズキリと痛む。以前の私であれば笑って受け流せたであろう状況なのに、現在は身動きのひとつも取れない。
｢この本丸や、刀剣男士。……そして縁さんの全てを」
＿＿＿＿身動きなど、取っては行けない気がした。
全て彼女の言葉通りに動かなければいけない、彼女の言うことが全て、彼女に歯向かう事があってはいけない、彼女を裏切ってはいけない。
彼女が言うなら、白と黒になるのだ。
……なら抗う意味もないんじゃあないか。
昨日話した事のみならず、紫さんが来る前にこの本丸で起こったことやそれぞれの人と話した内容を話したって、別に、いいんじゃないか？
｢……縁さん、全てを話してくださいますよね？」
迫る紫さんの言葉に首を縦に振＿＿＿ろうとした私の顎を冷たい指が支えて、そのまま私の肩を後ろに引かれる。
ぽすん、とその人の腕の中に収まった瞬間に、目が覚めた。
｢……申し訳ありませんが、今は私と縁さんが話している最中なのです。用があれば後でお聞きしますので、退いてくださいませんか。
……三日月宗近様」
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奏(プロフ) - 見習いそうきたかぁ…。最近読み始めたんですが面白くて一気に最新話まで読み切ってしまいました...！続きが楽しみです、更新待ってます！！！ (3月5日 13時) (
レス) id: 872e19f483 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 鶴丸ぅ…おま、お前…てぇてぇ過ぎるだろ!!!!(クソデカボイス)見習いさんがどう行動起こすのか楽しみです…!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (5月9日 21時) (レス) @page16 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：-naki-
| 作成日時：2023年4月28日 19時
