安心しました。笑えない ページ11
｢では、今は本当に好いている方などいらっしゃらないのですね？特別に思う刀剣男士様も、人間も居ないということですね？」
念を押すように聞いてくる紫さんの圧に、恐る恐ると首を縦に振る。すると彼女はほっとしたように息をついたあと、安心しました、と表情を和らげた。
その言葉の意味が分からなくて、真意を解いた出そうと口を開こうとすれば、此方に駆け寄ってきた短刀たちの声に遮られる。
私と穏やかに会話をしていることに気づいたのか、自分たちも話せるチャンスだと思って来たのだろう。
｢あ、主様、お食事中にすみません……！」
｢僕たちも見習いさんとお話していいですか？」
『あ、はい勿論ですよ』
そう言うと嬉しそうに笑う秋田さん。
この笑顔を見たら、彼等を退けてでも紫さんの言葉の真意を問いただそうだなんて思えなくて、目の前の小皿に盛り付けられたきゅうりの漬物に箸を伸ばした。
安心しました。
私がこの中の誰とも付き合ってなくて。
私がこの中の誰かを特別に思ってなくて。
＿＿＿審神者である私が、1人の男士を大事に思うことが無ければ、全てを簡単に奪えてしまいそうで？
『(……いやいやいや、違う。そんなことは無い。紫さんはそんな事を考えない)』
自分はなんて失礼な人間なんだ、と自己嫌悪に浸りながらご飯を食べ進めていく。
＿＿短刀達に囲まれながら、口元の笑みをより一層深くした紫さんに、気づくこともなく。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 4272人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
奏(プロフ) - 見習いそうきたかぁ…。最近読み始めたんですが面白くて一気に最新話まで読み切ってしまいました...！続きが楽しみです、更新待ってます！！！ (3月5日 13時) (
レス) id: 872e19f483 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーちゃん - 鶴丸ぅ…おま、お前…てぇてぇ過ぎるだろ!!!!(クソデカボイス)見習いさんがどう行動起こすのか楽しみです…!!更新頑張って下さい。楽しみにしてます！ (5月9日 21時) (レス) @page16 id: fd6863f2a6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：-naki-
| 作成日時：2023年4月28日 19時
