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三十四話 ページ41

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走る。走る。ひたすらにな走る。

何なんだ。あの場所は一体何なんだ。

どうして、あんなに、折られた刀が、たくさん。

たまたま入った小さな部屋で見たのは折られた刀。

それも、それはそれは酷いやり方で折られた刀。

そういえば、しばらく鍛刀が成功していなかった。

彼女は悲しそうにしていたが、いや、違う。

信じたくなかった。けれど、知ってしまった。気づいてしまった。

我に返った。夢から覚めたようだった。

あぁ、頼む。どうかどうか、許してほしい。

酷い願いだ。どの面下げてと殴られてもおかしくない。

でも、それでも、謝りたい。

殴られてもいい。溶かされてもいい。

それでも、一言。一言だけでいい。話をさせてくれ。

ありったけの願いを込めて、戸棚を開く。

「……あった……」

震える手でそれを取りだし、恐る恐る開くと、中には。


視界が滲んで、見えなくなった。

みっともなく、俺は泣いた。


「ごめん…ごめんな、A…」


絞り出した後悔の言葉はしかし、彼女には届かないだろう。

それは思い出。それは思い。

その中に入っていたのは、少女からの手紙。

まいった。本当にまいったな。









「…こんな驚き、望んでなかったのに」









(時刻は夕暮れ黄昏時)


(想いを繋ぐ夕焼けは)


(一人の男を夢から呼び戻した)

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ライラック - 薄桜鬼☆ハルハルさん» ご指摘ありがとうございます!直しました! (2018年5月5日 0時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
薄桜鬼☆ハルハル(プロフ) - 小説の説明書くところが、『とうらぷ』になってますよ。お話とっても面白いです!♪(v^_^)vv(^_^v)♪ (2018年3月17日 14時) (レス) id: 00eb0ae2ed (このIDを非表示/違反報告)
カリン(プロフ) - ライラックさん» ありがとう御座います! (2018年2月25日 23時) (レス) id: 07ba5613d8 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - 鈴音さん» わあぁ、ありがとうございます!何だかまとまりのない感じの文章だしいろんなとこ省きすぎだしうごめんねパッパぁぁあ(泣)と落ち込んでいたのでそう言っていただけると本当に嬉しいです…! (2018年2月25日 19時) (レス) id: 876020889d (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - 夜月レナさん» 回答ありがとうございました!うちはノーカネヒラなんですよね…鶯丸さんがいるので出したい気持ちは山々なんですが、如何せん口調の方が…。申し訳ないですが、彼にはもう少し待っていてもらうことになりそうです…(泣) (2018年2月25日 19時) (レス) id: 876020889d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ライラック | 作成日時:2018年2月12日 16時

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