三十七話 ページ9
暗い空間にオレンジ色の光が優しく浮かんでいる。
蝋燭の火が良い味を出しキラキラ輝いて、俺は目を離せず見入ってしまった。
明るかった時とは真逆の光景に夢を見ているんじゃないかと錯覚しそうだ。
「主さんが寝ちまって、煩くして起こしたら大変だなって事で作ったんだ。祭りみたいでいいだろ！」
腕の力で身体の向きを変え外に足を投げだす。そして愛染を膝の上に引き寄せ頭を撫でた。
俺に背中を向ける形で座らせたから表情は見えないが、嫌がってはないようだ。
愛染の頭を撫でながら視線をかまくらに戻す。新たにもう一つ作ろうとしている皆の姿に頬が緩むのがわかる。
「綺麗だ」
思わず口に出してしまうほど、俺はこの景色が気に入ったようだ。
俺の呟きをしっかり聞いていた愛染と石切丸はお互い顔を見合わせ笑っていた。
ひとしきり笑ってから石切丸は立ち上がる。
「これなら私も参加できそうだよ」
今剣に遅いって言われないだろうからね。と言い残し石切丸はかまくら制作に加わりに行った。
手を振りその背中を見送る。愛染も行きたそうにしていたので膝から降ろしてみる。
すると「行ってくる！」と言い走り出した。
楽しそうにかまくらを作っている皆を見ていると、参加していない俺まで楽しくなってくるから不思議だ。
その気持ちを胸に抱き、蝋燭の火のように輝く夜空の星を見上げて俺は白い息を吐き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 457人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Rin(プロフ) - とても面白くて初めから一気に読んでしまいました！陸奥守推しなので沢山出てきて嬉しいです！！作者様のお体に障らぬ程度に更新頑張ってください！ (10月20日 10時) (
レス) @page22 id: 69e1849e37 (このIDを非表示/違反報告)
リンデンバウム - 凄く、面白かったです！ 終わってしまって残念だけど、楽しませていただきました！ありがとうございました！ (2018年4月3日 1時) (レス) id: f45b803d55 (このIDを非表示/違反報告)
月兎 - 車椅子設定が自分も乗ったことあるので親近感がわきました！次郎ちゃんに押されたらと思うとちょっと怖いですw更新御待ちしております！ (2016年10月18日 14時) (レス) id: ac7f4ba26a (このIDを非表示/違反報告)
ＵＰ - 弥太郎さん» コメント、閲覧、ありがとうございます！お待たせしましたっ (2016年5月1日 20時) (レス) id: 67fe33daae (このIDを非表示/違反報告)
弥太郎(プロフ) - とても面白かったです！更新待ってます^^* (2016年3月24日 23時) (レス) id: fbc2f30c6f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：UP | 作成日時：2016年1月26日 21時
