六十六話 ページ35
said薬研
鶴「奴は…鶯丸はこう言った。鏡を見たか、と」
薬「鏡？」
鶴「あぁ。それが、呪具だと」
人の心を操る禁忌の道具。決して使ってはいけない道具。
「そん、な。じゃあ、まさか…」
ふらりと大将が倒れかかる。
「まさか、」
鶴「いや、違う。確かに俺は鏡を見てあの記憶を消された。思い出したのは、石切丸が祓ってくれたからだ。他のやつらは鏡で操られたわけじゃない」
薬「…ということは？」
鶴「鏡は自分の行動に疑問を持たないようにさせるためのものだ。つまり、それを壊せばあいつらはここに戻ってこられる。…逆に言うと、壊さない限りはあの本丸の刀が全員襲ってくる。何のためらいもなしに」
それでこのザマだ、と旦那が乾いた笑みを作った。
「なるほどね…わかった。とりあえずは鏡ね」
頷いて大将が立ち上がる。
「さ、それだけわかれば大丈夫！とりあえず今はご飯を食べましょう！薬研、鶴丸をみんなのところへ連れていってくれる？」
その言葉にすべてを察した俺は、笑顔で請け負う。
薬「あぁ、お安いごようだ。旦那、立てるか？」
鶴「いや、俺は…」
「うんうん、立てるね！じゃあ行ってみよー！」
嬉しそうに言う大将の声に見送られて部屋をあとにする。
鶴「おい、薬研！」
俺に引っ張られて、慌てたように旦那が言うが
薬「忘れるなよ？ここでは俺っちのほうが先輩だぜ？」
にやりと笑うと驚いたように目を丸くして、少し何かを考えて
鶴「…ありがとう」
そう小さく呟かれた声は、広間に入った時の歓声でさらに小さく聞こえた。
終わり←六十五話
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 845人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「刀剣乱舞」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
七味 - 凄く面白かったです！！ブラック本丸ネタでこんなに面白い作品はじめて！続きが気になります。更新頑張ってください！ (2019年6月5日 7時) (
レス) id: fbf27e6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - 盲亀さん» ありがとうございます！がんばります！ (2018年5月16日 20時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
盲亀 - 鶴さんとってもかっこいいです！！更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (2018年5月15日 17時) (レス) id: 71e9f65bc5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - 睦月乃さん» ありがとうございます！鶴丸国永の歴史を聞いてたぎった勢いで書いたので…こんな鶴さんもありかなー…という妄想ですw (2018年5月8日 19時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - ミリアさん» コメントありがとうございます、頑張ります！コラボも楽しそうですね…！ (2018年5月8日 19時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ライラック | 作成日時：2018年3月7日 12時
