五十四話 ページ20
Asaid
愛「主ーっ！」
厨房ですき焼きを煮込んでいると、真っ青な顔をした国俊が飛び込んできた。
歌「こら、廊下は走ると危ないよ。特に君は機動も速いんだから…」
春巻き用の皮を取り出しながら歌仙がたしなめるが彼の様子は少しおかしい。
「…！まさか、部隊の皆に何かあったの？」
はっとその考えが思い浮かんで青くなる。
今日の進軍については大丈夫だろうと思っていたが、まさか何かあったのだろうか。
そういうと国俊はかぶりをふった。
愛「出陣したやつらは全員無事だよ。予定より少し早く帰ったんだ…でも違う、そうじゃくて…あぁ、とにかく大変なんだ！来てくれ主！」
「わ、わかった、すぐに行くわ。歌仙、ここお願いね。後は巻いて揚げるだけだから…」
歌「わかった、任されよう」
そういう間にも国俊は私の手を引っ張ってずんずんと進んでいく。
たどり着いたのは手入れ部屋だった。
襖を開けると、中には清光と薬研の姿がある。
薬「…大将」
薬研が振り替えってそう声をかけたが、私は反応できなかった。
ただただ、目の前に横たわる血まみれの人間の姿を穴のあくほど見つめていた。
「…ど、どうして…？」
薬「本丸の前に倒れてたのを帰還する部隊の連中が見つけたんだと」
「倒れてた…？」
加「うん。小夜が見つけて、ほっとくわけにもいかないから連れてきたんだ」
二人の声がどこか遠くに聞こえる。
頭の中がぐるぐるして、何も考えられない。
どうして、なぜ、なんで、
愛「…主、大丈夫か？」
国俊の心配そうな声が聞こえる。
でも、それに答える余裕もなかった。
ややためらって、薬研が確認してくる。
薬「…まさかとは思ったが…やっぱりこいつはあの本丸の…大将がいた本丸の奴なんだな？」
そう。間違えるはずもない。この刀は、彼は、昔、私が顕現させた刀だ。
何故、こんな血まみれでここに彼が倒れていなくてはいけないのか。
薬「…鶴丸国永、か」
呟いた薬研の声は、やっぱりどこか遠くに聞こえた。
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七味 - 凄く面白かったです！！ブラック本丸ネタでこんなに面白い作品はじめて！続きが気になります。更新頑張ってください！ (2019年6月5日 7時) (
レス) id: fbf27e6ba4 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - 盲亀さん» ありがとうございます！がんばります！ (2018年5月16日 20時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
盲亀 - 鶴さんとってもかっこいいです！！更新頑張ってください。楽しみにしてます！ (2018年5月15日 17時) (レス) id: 71e9f65bc5 (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - 睦月乃さん» ありがとうございます！鶴丸国永の歴史を聞いてたぎった勢いで書いたので…こんな鶴さんもありかなー…という妄想ですw (2018年5月8日 19時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
ライラック - ミリアさん» コメントありがとうございます、頑張ります！コラボも楽しそうですね…！ (2018年5月8日 19時) (レス) id: 75a1a6830c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ライラック | 作成日時：2018年3月7日 12時
