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「妹の、血……」
藍が静かに呟く。
その時。
鯰尾が、何かに気づいたのか息を飲む。
「『意思疎通』……ああそうか、九条ってその名前……」
「鯰尾……?」
藍が驚いたように鯰尾を見つめるのに対し、咲夜子は悲しそうに微笑んだ。
「あなたは、『あそこ』に来たことあるものね。
わかる……よね」
咲夜子の言葉に、鯰尾はすっと目を伏せる。
藍は、隣のその姿を、心配そうに見やる。
「……私の妹、譲刃(ゆずりは)っていうの」
「そうなんですか」
「ええ。
今思えば藍さんに似てたな。
髪の毛が短くて、剣道が達者で、背がちっちゃくて、可愛かった」
「そう……なんですか」
今度は。
藍は、その言葉を噛み締めて、飲み干していく。
「……あーあ、すっかり暗い雰囲気になっちゃったわね。
じゃあ、学校行く前にちょっと寄り道していきましょうか」
咲夜子はそう言って、ぱちんとウインクをして見せた。
*〜*〜*〜*〜*〜*
咲夜子が寄り道をしたのは、お洒落な外観の喫茶店。
「おお……!!」
目の前にあるそれを見て、鯰尾は目を輝かせる。
ふわふわとした白いクリーム。
ひんやりと冷たいアイスクリーム。
パフェである。
鯰尾は、使い慣れないスプーン＿＿＿しかし箸よりも簡単に持ち、アイスクリームの隣にちょこんと置かれた苺を食べる。
「おお、甘いです!
この間のおはぎくらい甘いですよ、藍さん!」
「お、おはぎ……?」
「はい!
燭台切さんが作ってくれたんですよ」
鯰尾の説明に、私も食べたかったと口の中で言う。
そして、自分のパフェの桃を口の中に頬張った。
「わあ、藍さんのそれ、なんですか?」
「へっ?
これ……?
桃だけど……」
藍の説明に、鯰尾は更に目を輝かせる。
藍は、苦笑して桃をスプーンに乗せて差し出した。
「ほら、あーん」
「良いんですか!?
やった……いただきますっ!」
そう言って、鯰尾は桃をぱくっと頬張る。
「おぉ……これも美味しいですっ!」
そう言う鯰尾に、咲夜子はあはは、と軽やかな笑い声を上げた。
車の中で聞いたような声ではなく、澄んだ声で。
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梛霧(プロフ) - suzu★さん» だ、大好きですか!?すごい嬉しいです……ありがとうございます、これからも頑張りますので、よろしくお願いします！あと、『fight』ありがとうございます！ (2016年12月10日 20時) (
レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
suzu★ - この小説、凄い大好きです！なので、これからの更新楽しみにしてますね！fightです！！ (2016年12月10日 19時) (レス) id: 93b63c613e (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - 美由紀さん» ありがとうございます、嬉しいです！！これからも頑張ります……！！ (2016年12月8日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - おもしろかったです！これからも頑張ってください！！更新待ってます！ (2016年12月8日 17時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - からしさん» すいません、間違いです……訂正させていただきます！ (2016年12月1日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梛霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年10月23日 22時
