<弐>卯月 ページ35
「よしっ、と」
藍は制服を身に付けて鏡の前で一回転。
いつも短パンを履いていたからか、スカートだと変な感じがする。
リボンタイをつけるのもなんか息苦しい。
それに、紺色のブレザーと短いスカートに新鮮な感じと気恥ずかしさを感じる。
藍はスカートが似合わないと自ら思っており、スカートを履くのはあまり好まないのだ。
しかし、致し方なかった。
今日は中学校に行く日なのだから。
藍が通い始める中学校は、本来なら全寮制の学校であり、4月2日に始業式を行う。
ただ、特待生として転校しており、また自宅から通うことにさせてもらった藍は、イレギュラーな生徒である。
故に、校長や理事長との顔合わせのために4月1日、つまり今日、学校に行く必要があった。
「兄さん、着替えたよ」
そう言うと、ばんっと襖が勢いよく開いて蒼が飛び込んできた。
「おお、似合うよ、制服!
9時に理事長先生が迎えに来るからね、それまで用意するんだよ!」
「……今、理事長って言った!?
なんでそんな……!」
藍がそう言うと、蒼は、すごく真面目な顔になった。
「理事長先生はね、藍の神力をすごーく買ってるんだよ。
ぜひうちの学校に来てほしいってお願いに来たくらいなんだから」
「……へえ?」
「それに、理事長先生は政府でこの地域の本丸を統括しているんだ。
だから、藍はお願いだからちゃんとして、ね!?」
ここだけは潰されたくないから!!
そう力説する蒼に、再び藍はため息を吐いた。
そして、蒼をじとっと睨み付ける。
「安心してよ。
兄さんじゃあるまいし、ヘマしたりしないから」
「うん……そうだよね。
……ああ、でも心配だなあ……やっぱり僕も着いていこうかな。
兄としての勤めを果たさなくちゃいけな」
「結構です!
……ていうか、着いてきてくれるなら兄さんじゃなくて鯰尾とか一期とか……」
藍は食いぎみに拒否し、こっちの方が安心できる、という人の名前を挙げる。
勿論、本気ではない。
とにかく、兄が着いてくると余計な事件を起こしかねないのだ。
……なのに。
「そっか……藍は粟田口の子たちと仲良かったよね!?
じゃあ彼らに着いていってもらえばいいんだ!」
「え、ちょっ……!」
「安心して、藍!
ちゃんと頼れる奴に着いていって貰うからさ!
それじゃ僕、ちょっと募集してくる!」
そう言って、蒼は飛び出していく。
……どうやら、とんでもないことをしてしまったのは、藍の方だったらしい。
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梛霧(プロフ) - suzu★さん» だ、大好きですか!?すごい嬉しいです……ありがとうございます、これからも頑張りますので、よろしくお願いします！あと、『fight』ありがとうございます！ (2016年12月10日 20時) (
レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
suzu★ - この小説、凄い大好きです！なので、これからの更新楽しみにしてますね！fightです！！ (2016年12月10日 19時) (レス) id: 93b63c613e (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - 美由紀さん» ありがとうございます、嬉しいです！！これからも頑張ります……！！ (2016年12月8日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - おもしろかったです！これからも頑張ってください！！更新待ってます！ (2016年12月8日 17時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - からしさん» すいません、間違いです……訂正させていただきます！ (2016年12月1日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梛霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年10月23日 22時
