お気に入り100人突破記念 ページ34
「あ、いたいた。
おーい、藍さーん!」
たったったったっ。
そういう音と共にぴょこぴょこと揺れる黒いアホ毛。
藍は、走り寄ってくる相手の頭の上を見つめた。
なんか、触りたい。
どういう仕組みなんだろう。
どんな手触りなんだろう。
倒れたらもう起き上がらないのかな。
そういう思考がぐるぐると渦巻く。
藍は、その相手……鯰尾が目の前に走りよってもなお、ぐるぐると考えていた。
「おーい、藍さん?」
「っ!!
……ああ、何、鯰尾」
藍は、はっと目覚めたように数回瞬きをして、ぎこちなく笑う。
鯰尾は、一瞬きょとんとしたあと、すぐににっと笑った。
「今日はですね、誉めてもらいに来ました!」
「誉めて、もらいに?」
藍が聞き返すと、鯰尾は頷いてぐっと握りこぶしを作った。
「はい!
いち兄と主は誉めてくれるんですけど、それ以外からは誉められないし、弟たちには俺が誉める方なんですよー……ていうわけで、藍さん、俺を誉めてください!」
誉めてくださいと言われても。
というか、さっきからすごいアホ毛が揺れてますね。
それは尻尾的なやつなの?
嬉しかったらめっちゃ揺れるの?
そう言うのを頭の中で呟き、藍はこくんと頷いた。
そして、自分より少し高いその頭を撫でる。
「頑張ったね、鯰尾」
女である自分としてはすごく羨ましい艶やかな鯰尾の黒髪。
藍は猫っ毛な自分の髪を少し指に絡めた。
やっぱり、違う。
ちょっと気落ちしつつも、藍は鯰尾の頭を撫で続ける。
鯰尾は、満足そうに笑い、もう大丈夫です、と告げた。
少し名残惜しく思いながら、藍は手を下ろす。
すると、鯰尾がそうだ、と言わんばかりに目を輝かせる。
「藍さんは、何かしてほしいことありますか?」
「え、私?
特には無いかな」
藍がそう返すと、鯰尾はそうですか、と一瞬しゅんとして、そしてにやっと笑った。
「じゃあ、俺からしてあげましょうか?」
鯰尾がそっと手を差し出し、藍はきょとんと首をかしげた。
「へっ?何を……っ、ひゃう、や、めっ、ふふ、あ、はははは、はははっ」
突然脇腹をくすぐられ、藍は、身を捩らせる。
鯰尾は、すぐに手を離して、尻餅をついた藍に手を差し出した。
「藍さん、さっきからため息と怖い顔ばっかです。
そういうときは、笑ったら良いですよ。
にっかりさんが言ってました!」
そう言って、鯰尾は笑った。
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梛霧(プロフ) - suzu★さん» だ、大好きですか!?すごい嬉しいです……ありがとうございます、これからも頑張りますので、よろしくお願いします！あと、『fight』ありがとうございます！ (2016年12月10日 20時) (
レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
suzu★ - この小説、凄い大好きです！なので、これからの更新楽しみにしてますね！fightです！！ (2016年12月10日 19時) (レス) id: 93b63c613e (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - 美由紀さん» ありがとうございます、嬉しいです！！これからも頑張ります……！！ (2016年12月8日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - おもしろかったです！これからも頑張ってください！！更新待ってます！ (2016年12月8日 17時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - からしさん» すいません、間違いです……訂正させていただきます！ (2016年12月1日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梛霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年10月23日 22時
