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一瞬の不思議な感覚のあと、藍はこれまた不思議なところに立っていた。
足元には若草色の畳が敷かれ、障子の向こうには蕾がついた大きな木が見える。
蕾の色からして……恐らく、桜であろう。
その近くには歪んだ形の、それでありつつ芸術作品のごとき澄んだ池の中に春を感じた鯉がゆったりと泳いでいた。
「ここは僕の『本丸』。
僕は『歴史修正主義者』から歴史を守る刀たちの主、『審神者』なんだーっ!
格好いいでしょ?」
「……?」
年甲斐もなくえへんと胸を張った蒼の言葉に藍はこてんと首をかしげた。
「……藍ちゃん……何でもいいからもっと派手に反応してよ……」
しゅーんと一気に落ち込んだ兄に向かって、藍はため息をついて近寄る。
「本丸?歴史修正主義者?審神者?刀?
何言ってるの?」
どれだけ冷たく言い返しても答えてくれる蒼なら、多少強めに聞いても言いはず。
そう思った藍は、ぴしゃんと聞いた。
すると。
「本丸は、ずばりここのこと!
僕、割と優秀だからさ、結構大きい本丸与えられたんだよねー。
それで、審神者っていうのはつまり僕のことで、刀たちを具現化したり、どこに出陣したりするかっていうのを決めたり、演練したりするお仕事なんだよ。
あ、刀たちっていうのはつまりそのままね。
刀だよ、刀。
で、歴史修正主義者っていうのはつまり敵だね、敵!」
「はあ……」
曖昧に頷く。と、そこに。
「お待ちしておりました、主」
そう言って出てきたのは、綺麗な青い髪の男の人だった。
黒い軍服のような服に身を包み、派手な装飾品を着けている。
ふと、藍はその男と目が合う。
そして、目尻を下げて優しく微笑みかけてくれる。
「……ああ、貴女は主のきょうだいの方ですな。
私は一期一振。
近侍を務めさせていただいております」
「あ、えと、私は藍です。
あ、兄がいつもお世話になっています」
近侍とは?と頭に『?』が浮かびつつも、慣れない丁寧な言葉で挨拶をしてぺこりと頭を下げる。
すると、その男……一期一振は、また優しく微笑んだ。
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梛霧(プロフ) - suzu★さん» だ、大好きですか!?すごい嬉しいです……ありがとうございます、これからも頑張りますので、よろしくお願いします！あと、『fight』ありがとうございます！ (2016年12月10日 20時) (
レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
suzu★ - この小説、凄い大好きです！なので、これからの更新楽しみにしてますね！fightです！！ (2016年12月10日 19時) (レス) id: 93b63c613e (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - 美由紀さん» ありがとうございます、嬉しいです！！これからも頑張ります……！！ (2016年12月8日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - おもしろかったです！これからも頑張ってください！！更新待ってます！ (2016年12月8日 17時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - からしさん» すいません、間違いです……訂正させていただきます！ (2016年12月1日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梛霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年10月23日 22時
