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「ここは……」
「た、短刀の部屋なんです……そういえば、兄さんが慌てて出ていきましたよ……?
布団を持って……」
五虎退は藍の疑問に答えて、兄が慌てて出ていったと告げる。
藍は、ありがとう、と言って五虎退の頭を撫でて、すぐ去っていった。
短刀たちがため息をほっとついたのも知らずに。
「あ、来た来た。
ごめんね、藍ちゃん!
勝手に入っちゃって」
藍の部屋にて、乱がすでに布団を敷いていた。
いつの間にか、藍のものまで。
「あ……ありがとう、乱。
助かるよ」
お礼を言って、自分の布団と思われる方へと向かう。
「これ?」
乱が頷くのを確認し、藍は布団を叩く。
ぽふぽふ、と手が布団に沈む。
変な感じだ。
「あ、僕はお風呂入ってこよーっと」
「ああ、うん。
わかった」
乱を見送り、藍は仰向けで布団に倒れ込む。
身体が布団に沈み、心地よい暖かさが包んでいく。
藍は、ふっと目を閉じた。
……どれくらい経っただろう。
藍は、何処か不思議なところに立っていた。
裸足のまま、くるぶしまで柔らかな水に浸かっている。
ひんやりと体の芯が凍らされていく感じがした。
感覚が、無くなっていく……その前に。
「藍さんっ!」
目の前に、何処かで見たことがある男の子が藍の目の前に立っていた。
長い黒髪を一つに纏め、悪戯っ子みたいな黒い瞳が必死に藍を見つめる。
男の子は、藍の手を握った。
……誰だろう、彼は。
彼の名は……なんだろう。
「なまず……お……」
口が。
勝手に動いた。
無意識だったのだろうか……それとも。
背景は目まぐるしく変化し、そして。
また暗闇に戻った。
男の子の姿は消えて、藍はまた一人だった。
その時。
寂しさを掻き消すように、耳元で囁かれる、ちょっと甘い声。
「……さん、藍さん」
……誰か、呼んでる?
「……早く起きないと……襲っちゃいますよ?」
「……っ!!」
艶やかな声に鼓膜が震え、藍は目を開く。
そこには、覗き込む鯰尾の姿があった。
「おはようございます、朝ですよ」
ちちち、と小鳥の声が聞こえた。
朝が既に、そこにはあった。
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梛霧(プロフ) - suzu★さん» だ、大好きですか!?すごい嬉しいです……ありがとうございます、これからも頑張りますので、よろしくお願いします！あと、『fight』ありがとうございます！ (2016年12月10日 20時) (
レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
suzu★ - この小説、凄い大好きです！なので、これからの更新楽しみにしてますね！fightです！！ (2016年12月10日 19時) (レス) id: 93b63c613e (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - 美由紀さん» ありがとうございます、嬉しいです！！これからも頑張ります……！！ (2016年12月8日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
美由紀(プロフ) - おもしろかったです！これからも頑張ってください！！更新待ってます！ (2016年12月8日 17時) (レス) id: 9e4be1b4f0 (このIDを非表示/違反報告)
梛霧(プロフ) - からしさん» すいません、間違いです……訂正させていただきます！ (2016年12月1日 18時) (レス) id: 0ac4ee445f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：梛霧 | 作者ホームページ：
作成日時：2016年10月23日 22時
