いっしょのじかん.２【東海オンエア】

■すれ違いの中に。【としみつ】 ページ16

「「おつかれさまでーす」」

「お疲れー」


後輩たちが帰ってから、私の仕事は始まる。
残業手当なんて出ない。
ひたすらパソコンと向き合うだけの仕事。


何かやることありますか？
なんて聞いてくれる後輩には、
まだ少し早くて、任せられない仕事。



「帰っていいよー」
と後輩を帰して、ひたすら向き合う画面。


Aごめんね。また遅くなる。ご飯食べてて!

と送ると、


わかった。頑張ってね。


と返してくる愛しい存在。


付き合って2年。同棲して1年。
彼はYouTuberという職業についていて、
私との生活はすれ違いが多い。


たまにいる夜ご飯の時間も、
私が帰れないせいで、いつもすれ違い。


「ただいまー」


22時を過ぎる頃に帰宅。
彼はメンバーの家に行っている。
きっと夜中に帰ってくる。

またすれ違い。



一人でコンビニ弁当に頼り、
食事につくのにも慣れてきた。

同棲の意味ってなんなんだろう。なんて
後悔したりもする。


「ん…」

そんなことを考えていたら、眠りについていた。
夜中、トイレに目がさめると、横に暖かい温もり。


あぁ、これだ。
同棲の意味。


と、私は単純に考える。


と「ん…何時…？」

「あ、ごめん。起こしたね」

と「ううん。勝手に起きた。暑いね」

「暑い」


暑いと言いながら、布団に戻った私の体に
くるっと手を回し抱きしめる。


「暑いって話したばっかりなのに」

と「ん…」


振り向くと、もう眠りについている彼。


2人でいると、温もりを求めてしまう。
それが恋人なんだと思う。



私が起きて、仕事へ行くまでに
いつも彼は起きてこない。



と「おはよ…」

「あれ？今日は朝早いの？」

と「11時」

「まだ寝れるよ」

と「いいの。A、おいで。」


出勤準備をする私に声をかける。
トコトコと近づくと、力強く抱きしめられる。


「なんかあった？」

と「もう仕事しなくていいよ」

「え？」

と「俺のお嫁さんになって」

「寝ぼけてる…？」

と「昨日一人で飯食ってて思ったんだ。俺が養ってあげられれば、一緒にいれるのに。って」

「珍しく真面目」

と「うるせぇ、いつも真面目だ」

「そうかなぁ」

と「で？どうするの？お嫁さんになるの？ならないの？」

「なる」

と「よし、決まり」



そういうと、抱きしめてた手をすっと離す。




「もう仕事行くね。」

と「行ってらっしゃい。お嫁さん。」

「行ってきます。旦那様」




二人で笑い合う時間が幸せ。

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